“接”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
35.4%
せつ15.2%
つな14.1%
せっ11.1%
まじは4.0%
つけ3.0%
つづ3.0%
つゞ2.0%
2.0%
1.0%
あつか1.0%
あわ1.0%
しょう1.0%
1.0%
つぎ1.0%
まじ1.0%
まじわ1.0%
1.0%
1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
蛙でさえも水田に鳴き、ともを求める時であった。梅の実の熟する時、鵜飼うかいの鵜さえがう時、「お手討ちの夫婦なりしを衣更ころもがえ」
柳営秘録かつえ蔵 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
勘次かんじ菜種油なたねあぶらのやうに櫟林くぬぎばやしあひせつしつゝ村落むら西端せいたん僻在へきざいして親子おやこにんたゞ凝結ぎようけつしたやうな状態じやうたいたもつて落付おちついるのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「あの箱がくせものなんだ、電燈線につないであったろう——、あれは電燈線を動力として簡単に超音波を発生する装置なんだよ」
睡魔 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
のあたり、うした荘厳無比そうごんむひ光景ありさませっしたわたくしは、感極かんきわまりて言葉ことばでず、おぼえず両手りょうてわせて、そのつくしたことでございました。
前生にありしときおのれをよくをさめ、慈悲の心もはらに、他人ことひとにもなさけふかくまじはりし人の、その善報によりて、今此のしやうに富貴の家にうまれきたり
溢れる水を唇にけて見せたが、稚兒は、手を淨める水にくちつけるのを咎めた。
波を打つ廂髪ひさしがみの、白い額につづく下から、骨張らぬ細い鼻をけて、くれないすんに織る唇が——唇をそとすべって
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
対岸に並びつゞく家々の屋根、ところ/″\に高い寺院の建築物たてもの、今は丘陵のみ残る古城の跡、いづれも雪に包まれてかすかに白く見渡される。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
張つて麩糊ふのりを引いてゐるのは、文吾の單衣になる、繼ぎぎだらけの大和木綿であつた。初夏の空は淺緑に晴れて、山も里もキラ/\と輝き渡つてゐた。
石川五右衛門の生立 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
人を以て蟹にかざるべけんやと、独り合点これを久しゅうせし内、かの親切な蟹の歩み余りに遅く、時々立ち留まりもするをいぶかり熟視すると何の事だ、半死の蟹の傷口に自分の口を
大層鄭重ていちょうあつかってれたので、私も非常に満足して、主人公はおいでになっているのかと尋ねると、「イエまだおいでにはなりませんが、当月すえにはおいでなさるにちがいありません」
画工と幽霊 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
仲よしの小鳥がくちばしあわす時、歯の生際はえぎわ嬰児あかんぼが、軽焼かるやきをカリリと噛む時、耳をすますと、ふとこんながするかと思う、——話は違うが、(ろうたけたるもの)として
雛がたり (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
弥陀如来が観音勢至以下の聖衆をひきい、雲に乗って念仏行者を来迎引しょうする図で、そこに山や樹木が伴うのだ。
ある偃松の独白 (新字新仮名) / 中村清太郎(著)
いま山中さんちゆうむ熊とは違つて、北海道産ほつかいだうさんで、うしても多く魚類ぎよるゐしよくするから、毛が赤いて。甚「へえー、緋縅ひをどしよろひでもひますか。真「よろひぢやアない、魚類ぎよるゐ、さかなだ。 ...
八百屋 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
石は二ツつぎ、三ツ組、五ツ組とか言い秘伝のようなものがあるそうであるが、わたくしは勝手に組めばいいと思っている。しかし物には釣合というものがある。
庭をつくる人 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
かつての自分のほこりであった・白刃はくじんまえまじわるも目まじろがざるていの勇が、何とみじめにちっぽけなことかと思うのである。
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)
虎狗を食して淫を起し狗赤小豆あずきを食して百疾をいやし猫天蓼をくろうてしきりにまじわる、狐焼鼠を見て命を失う猩桃を得て空になげうつ、鼠蕎麦に就いて去る事を知らず、雉子胡麻を食して毎朝来ると見ゆ。
グーングーングーングーンと既に間近くって来た。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
時々出る、年よりたちの悔み言には、一層の事、筑前の国にけといたら、よかつたらうに、と言ふ事である。
雪の島:熊本利平氏に寄す (新字旧仮名) / 折口信夫(著)