“挿”のいろいろな読み方と例文
旧字:
読み方割合
46.7%
はさ31.6%
6.5%
さしはさ4.5%
さし2.4%
かざ1.7%
1.0%
かざし0.7%
ささ0.7%
さしは0.7%
さしはさみ0.7%
さしはさむ0.7%
0.7%
はさま0.7%
つかま0.3%
0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
美貌の源氏が紫を染め出したころの白菊をかむりして、今日は試楽の日にえて細かな手までもおろそかにしない舞振りを見せた。
源氏物語:07 紅葉賀 (新字新仮名) / 紫式部(著)
だからとなごとのうちにも、かみのお言葉ことばがあり、ものがたりのうちにも、かみのお言葉ことばはさまれてゐるもの、とかんがしたのであります。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
殿中の廊下には、たくさんの花桶はなおけが並べてあって、各〻が心まかせに、好みの花を摘んで、けたり、家土産づとに戴いて帰った。
日本名婦伝:太閤夫人 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
元来いつたい政治をるに天子様をさしはさんで為やうといふは日本人の不心得で、昔日むかしから時の政府に反対するものを直ぐ朝敵にして了うが
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
少し俯向うつむいて、ええ、やっぱり、顔へは団扇を当てたまんまで、おぐしの黒い、前の方へ、軽くかんざしをおさしなされて、お草履か、雪駄せったかの、それなりに、はい、すらすらと
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
藤の花をかざし、直衣の色やくつまでもおそろいで、華々と列をつくり、祝う館の玄関へ来て、賀詞を呈し、賀を唱歌して、ひきあげてゆく。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
中川君、それではね、食卓を飾るのに西洋風の粗雑なつかしの花を用いずとも我邦わがくにには古来より練習した活花いけばなの特技があるでないか。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
一廻りななめに見上げた、尾花おばなを分けて、稲の真日南まひなたへ——スッと低く飛んだ、赤蜻蛉あかとんぼを、かざしにして、小さな女のが、——また二人。
若菜のうち (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
飯に砂利をんだようにあろう、と思うたじゃでの、棄てるも勿体なし……誰方どなたぞ参詣の折には、手向の花をさされてもいと思うて、石塔の前に据置きましたじゃ。さ、さ、回向えこうをなされ。
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そうでなしと争う可き余地もない程に述べ来るは全く熱心のほとばしりて知らず知らず茲に至る者と見える、余は唯聞き惚れて一言をもさしはさまぬ
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
ふたゝび荊棘けいきよくえだとり香花かうくわ神前しんぜんさしはさみくうず。次にあつま各童わらべども手に木刀をとりみち隊閙たいだうしすべて有婚こんれいして无子こなきをんな木刀をもつ遍身へんしん打之これをうち口に荷花蘭蜜こばらみとなふ。
百樹もゝき案に、くだんの風土記にふたゝ荊棘けいきよくえだを取り香花つねにいのる神前にさしはさむといひしは、餅花もちばな神棚かみたなくうずる事を聞て粥杖かゆつゑの事と混錯こんさくして記したるなるべし。しかりとすれば餅花もちはなも古き祝事しゆくじなり。
亨一は此話の間に屡々くちばしさまうとしたがやつと女の詞の句切れを見出した。
計画 (旧字旧仮名) / 平出修(著)
大江山警部は、帆村の力を借りたい心と、まだ燃えのこる敵愾心てきがいしんとにはさまって、例の「ううむ」をうなった。そのときかたわらに声があった。
省線電車の射撃手 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「でも、私が、お前が螢をつかまへるやうにお前をつかまへてしまツたらうする。」
水郷 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
梅花ヲヲリカシラ
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)