“挙止”のいろいろな読み方と例文
旧字:擧止
読み方割合
きょし61.1%
とりなし11.1%
ものごし11.1%
とりなり5.6%
ふるまひ5.6%
ようす5.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一家中という大勢から遊離ゆうりして、一藩の主脳でも一列の主体者でもない、みなしごのごとき一箇の人間として挙止きょしするような姿がまま見られた。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「いゝえよ、吾妻はこゝで死んだんだ。」小倉はしみ/″\した挙止とりなしで「火に追われて小梅からこゝへ逃げたんだ。——土手へさえ出ればいゝと思ったのがあの男の運のつきだったんだ。」
春泥 (新字新仮名) / 久保田万太郎(著)
女主人などは、あの子をまるで非人ペエリア扱いにしていますが、でも、あの子は王族の血でもひいてるような挙止ものごしをしています。
挙止とりなりきゃんにして、人をおそれざる気色けしきは、世磨よずれ、場慣れて、一条縄ひとすじなわつなぐべからざる魂を表わせり。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
さきのとし玉山翁が梓行しかうせられし軍物語いくさものがたりの画本の中に、越後の雪中にたゝかひしといふあり。文には深雪みゆきとありて、しかも十二月の事なるに、ゑがきたる軍兵ぐんびやうどもが挙止ふるまひを見るに雪はあさく見ゆ。
この頃の貞之進の挙止ようすが尋常でないので、かつて貞之進をせびり続けた悪太原あくたばらの如きに至っては、一層きびしく嘲けりこそすれ白銅一箇ひとつ快くは貸して呉ぬので、貞之進はたゞ怒り易い一方にのみ傾いて
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)