“拾円”の読み方と例文
読み方割合
じゅうえん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そこの主人はこの町の三等郵便局に十何年勤続して、月給わずかに五拾円じゅうえん、盆暮れの手当てが各々おのおの二拾円にたないという身の上であった。
毒草 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「そいじゃ、これで切りあげよう。なあに戻りに、昨日きのうの宿屋で、山鳥を拾円じゅうえんも買って帰ればいい。」
注文の多い料理店 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
表梯子おもてばしごの方から蝶子ちょうこという三十越したでっぷりした大年増おおどしま拾円じゅうえん紙幣を手にして、「お会計を願います。」と帳場の前へ立ち、壁の鏡にうつる自分の姿を見て半襟はんえりを合せ直しながら
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)