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押懸
一先ず帰宅して寝転ぼうと思ったのであるが、
久能谷を離れて街道を見ると、人の瀬を造って、
停車場へ
押懸ける
夥しさ。
ですから、
最う
大威張。
其でなくツてはお
聲だつて
聞くことの
出來ないので、
押懸けて
行つて、
無理に
其の
材木に
葉の
繁つた
處をお
目に
懸けようと
思つて
連出して
來たんです。
大仏殿の二階の上には、千余人昇り上り、
敵の続くを
上せじと
階をば
引てけり。
猛火は
正う
押懸たり。
喚叫ぶ声、焦熱、大焦熱、
無間阿鼻の
焔の底の罪人も、是には過じとぞ見えし。