“抱主”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かかえぬし83.3%
かゝへぬし16.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そこへ抱主かかえぬし因業いんごうで、最近持上った例の松村という物持の身受話が段々うるさくなり、うんというか、借金を倍にしてほかへ住みかえでもするか
湖畔亭事件 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
わたくしは其様子と其顔立とで、直様すぐさまお雪の抱主かかえぬしだろうと推察したので、向から言うのを待たず
濹東綺譚 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
日本娼婦の稼ぎ高はまつた抱主かゝへぬしと折半で、衣類を除いた外食物其他そのた一切の雑費は抱主かゝへぬしの負担であり、この外内地とちがつて纒頭てんとうの所得が多いと云ふ事だ。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
いかほど抱主かゝへぬし歩割ぶわりられても、自分じぶん一人ひとりでは使つかれないくらいで、三ねん年季ねんきけるころには鏡台きやうだい箪笥たんすつてゐたし、郵便局いうびんきよく貯金ちよきんまん以上いじやうになつてゐたが、かへるべきうちがないので
吾妻橋 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)