“扱”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しご30.9%
あつか25.9%
20.8%
あしら7.3%
あつかい3.1%
あし2.7%
しごき1.9%
あつ1.5%
あつかひ1.5%
1.2%
こい0.8%
こき0.8%
あつかっ0.4%
こな0.4%
こはし0.4%
つか0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
隅の階子段はしごだんて空ざまに髯をしごいた。見よ、下なる壁に、あのひぐまの毛皮、おおいなる筒袖の、抱着いたごとく膠頽べたりとして掛りたるを——
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
佐賀錦さがにしき紙入かみいれから、の、ざく/\と銅貨どうくわまじりをあつかつた、岡田夫人をかだふじん八千代やちよさんの紙包かみづつみの、こなしのきれいさをいまでもおぼえてる。
九九九会小記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
実をいふと、お高婆さんもその皮肉家の一にんで、伊達太夫などは稽古のたんびに随分こつぴどおろされるばかりか、うかすると
然し人一倍義侠心の強い彼は、し京太郎にとって悪い奴なら、自分がなんとかあしらってやろうと考え、そのまま浜の方へけだした。
天狗岩の殺人魔 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
次兄は十一、二歳の頃、漢学を習いに、因州の儒者佐善元立さぜんもとたつという人の所へ通っておりました。出来がよいと直に特別あつかいにされます。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
蜜蜂を扱ふのに面帕ヴエールが要るやうだつたら、女をあしらふにはそれを二枚重ねなければならぬ。臆病者に限つて剣は長いのを持つてる世の中だから。
寝衣ねまきか何か、あわせ白地しろじ浴衣ゆかたかさねたのを着て、しごきをグルグル巻にし、上に不断の羽織をはおっている秩序しどけない姿もなまめかしくて、此人には調和うつりい。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
泥棒どろぼうあつかつたんでせう。それともあまかねにならないんで、やむかへしてれるになつたんですかね。なにしろめづらしいことで」と坂井さかゐわらつてゐた。それから
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
和田垣博士がかつこれを評して「巴里パリイ人は髑髏どくろを見世物あつかひにして居る」と批難せられたといふのはもつともである。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
ヲサを流れるやうに、手もとにくり寄せられる糸が、動かなくなつた。引いてもいても通らぬ。筬の歯が幾枚もコボれて、糸筋の上にかゝつて居るのが見える。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
ともはやえりのあたりがむずむずして来た、平手ひらてこいて見ると横撫よこなでに蛭のせなをぬるぬるとすべるという、やあ、乳の下へひそんで帯の間にも一ぴきあおくなってそッと見ると肩の上にも一筋。
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
おつぎがあらざらしのあはせてゝ辨慶縞べんけいじま單衣ひとへるやうにつてからは一際ひときはひと注目ちうもくいた。れいあかたすきうしろ交叉かうさしてそでみじかこきあげる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
始終しじゅうう身構えにして居るから、私の処には官軍方の人も颯々さっさと来れば、賊軍の人も颯々と出入りして居て、私は官でも賊でも一切いっさい構わぬ、何方どちらに向ても依怙贔屓えこひいきなしにあつかって居るから
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
私はきっと、人違いだと思いながら、何気なく見ていると、物の云い方から身のこなし方まで、舞台の上の染之助とは、似ても似つかぬほど、卑しくて下品で、見ていられないのですよ。
ある恋の話 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
こはし休みに南瓜かぶちゃの飯を煮とったら、森田のお安様が年貢取りに来て、火端へ上ってお出で、南瓜煮えたけ! さう云って一つ突つき乍ら、おめえ米なんちふものはな、有りゃ有って
夏蚕時 (新字旧仮名) / 金田千鶴(著)
ぱっとしちゃあ、お客にまで気を悪くさせるから伏せてはあろうが、お前さんだ、今日は剃刀をつかわねえことを知っていそうなもんだと思うが、うちでも気がつかねえでいるのかしら。
註文帳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)