“打過”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うちす57.1%
うちすぎ14.3%
うちすご14.3%
うちはず14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
われ生来多病なりしかどその頃は腹痛む事稀なりしかば八重がしきりにかの草の効験ききめあること語出かたりいでても更に心にむる事もなくて打過うちすぎぬ。
矢はずぐさ (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
きらひて幼年なれば今四五年も相待あひまつべしととゞめ候故本意ほんいなくは思へども師匠の仰せ默止難もだしがたく是迄は打過うちすぎ候なり此度こそさいはひに日頃の宿願しゆくぐわんはたすべき時なり何卒此儀このぎ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
あづか渡世とせい寸暇すんかなければ中々田舍ゐなかへ尋ね行事などは思ひもよらず心にかゝる計りにて今迄疎遠そゑん打過うちすごしたり夫に付ても此間の手紙に細々こま/″\と言越たるには追々おひ/\不時ふじの災難や水難旱損かんそんの打續きて思はぬ入費ものいりの有しゆゑ親のゆづりの身上も都合つがふしくなりし由じつに當時の世の中は田舍も江戸もつまがちしか呉々くれ/″\返事へんじ言遣いひつかはしたる通り親は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
宮は些少わづかなりともおのれの姿の多く彼の目に触れざらんやうにとねがへる如く、木蔭こかげに身をそばめて、打過うちはず呼吸いきを人に聞かれじとハンカチイフに口元をおほひて、見るはくるしけれども
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)