“扁”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひら45.9%
ひらた32.4%
へん13.5%
ひらっ2.7%
ひらった2.7%
ペン2.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ブドウの実は誰れでも知っているように甘い液汁を含んだ漿果で味がい。そして果内に僅かの緑褐色なややひらたい種子がある。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
またいう、コンモードは水陸ともに棲む、たけ十五フィート周十八インチ、頭ひらたひろく、尾細長くてとがる、褐色で脊と脇に栗色を点す。
彼ハ傾国ノ色絶世ノ技アルニ非ラズトイヘドモ、繊繊タル女手ノ力ヲ以テ大ニ巨閣高楼ヲ墨水ノ西ニ営ミ、へんシテ有明楼トイフ。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
(頭にね、何ですか、手拭てぬぐいのようなものを、ひらったく畳んで載せているものなんです。貴下あなたがお話しの通りなの、……佐川さん。)
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
幕がいた——と、まあ、言うていでありますが、さてただ浅い、ひらったい、くぼみだけで。何んのかざりつけも、道具だてもあるのではござらぬ。
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
蘆花ロカ叢裡ソウリペンノ舟、俊傑ニワカノ地ニ遊ブ——口にして何べんも読んではみるが、謎は謎で、思い当ってくるふしもない。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)