“所為”のいろいろな読み方と例文
旧字:所爲
読み方割合
せい48.8%
しょい23.0%
せゐ8.8%
しわざ8.8%
まね2.8%
しよゐ2.3%
わざ0.9%
しょさ0.5%
しうち0.5%
しかた0.5%
しぐさ0.5%
せえ0.5%
とが0.5%
なすところ0.5%
ショイ0.5%
セイ0.5%
セヰ0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
読方よみかただって、何だ、大概たいがい大学朱熹章句だいがくしゅきしょうくくんだから、とうと御経おきょう勿体もったいないが、この山には薬の草が多いから、気の所為せいか知らん。
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
二人とも下手人であるともいい、あるいは父なる准后一人が下手人だとも、または尚経一人の所為しょいだというが、その辺はたしかでない。
「それであの人達が苦んでゐるのは、結局今更どうにもしやうのない秘密の世界をお互して作りあげてしまつた所為せゐだと思ふのよ、」
静物 (新字旧仮名) / 十一谷義三郎(著)
かゝる光景ありさまは雪にまれなるだん国の風雅人ふうがじんに見せたくぞおもはるゝ。およそちゞみをさらすには種々しゆ/″\所為しわざあれども、こゝには其大略たいりやくをしるすのみ。
五体満足な男一匹が女や腰抜の所為まねをして筆屋の御奉公をして腐れ死をして了つては国家に対する義務が済むまい。なッ亀井。
貧書生 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
右の恐るべき殺人犯は何者の所為しよゐなるか、余等の探知したる限にては、その筋に於て未だ何等の手掛かりをも得ざるものゝ如し。
主人あるじ帰りきたりしかば、こうこうと物語りしに、主人あるじ色を変じて容貌風体ふうていなどをただし、それこそ今日きょう手にかけたる女なり、役目とは云いながら、罪作りの所為わざなり、以来は為すまじき事よと
枯尾花 (新字新仮名) / 関根黙庵(著)
お源は亭主のこの所為しょさに気をのまれて黙って見ていたが山盛五六杯食って、未だめそうもないのであきれもし、可笑おかしくもなり
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
程経て香奠のみ贈り越されたる所為しうちに、いとど恨みは添ひゆきて、人に思ひのありやなしや、思ひ知らせむの心ははやりにはやりしかど、さすがにもまた優しかりし越し方の忍ばれて
葛のうら葉 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
いかにやせんと人々佇立たゝずみたるなかに、かの老人らうじんよし/\所為しかたこそあれとて、わかものどもをつれちかき村にいたりてにはとりをかりあつめ、雪頽なだれの上にはなちをあたえつゝおもふ処へあゆませけるに
それは全く分秒の間に非常に手早くなされたのであるが、さうしたお信さんの所為しぐさには、到底私の拒否や抵抗を許さない、何か迫るやうな真剣なものがあつた。
乳の匂ひ (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
日癖ひぐせ所為せえか、今晴れたかと思うとどうと烈しく降出して来て、込合います往来もばったりと止りました。娘はあたりを片附けようと思うと縁台の上に萠黄金襴もえぎきんらんの結構な金入が乗って有るから
まるで乃公の所為とがのようだ。それにしても忠公は仕様のない奴だ。もう九時過ぎている。約束を守らないと信用がなくなるぞ。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
されどるにも位列ゐれつをなしてみだりならず。求食あさる時はみなあさり、あそぶ時はみなあそぶ。雁中がんちゆうに一雁ありて所為なすところみなこれにしたがふ、大将たいしやう士卒しそつとのごとし。
トリツク怒濤ドトウジツタノシキ小波サザナミ、スベテ、コレ、ワガイノチ、シバラクモビテミタイ下心シタゴコロ所為ショイ東京トウキョウノオリンピックテカラニタイ、読者ドクシャソウカトカルクウナズキ、フカキトガメダテ
創生記 (新字新仮名) / 太宰治(著)
 俺の所為セイじゃ無えぜ
中村仲蔵 (新字新仮名) / 山中貞雄(著)
黒ずんで見える峰々が、入りくみ、絡みあつて、深々とウネつてゐる。其が見えたり隠れたりするのは、この夜更けになつて、俄かに出て来た霞の所為セヰだ。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)