“感得”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かんとく88.9%
かんづ11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
これをつたない筆で描くよりは、世の親たる人たちの想像にまかせたほうが、はるかにその真実を感得かんとくすることができよう。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
実際にその咲いている花に対せば淡粧たんしょう美人のごとく、実にその艶美えんび感得かんとくせねばかない的のものである。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
しかし、言葉を交して居るうちに、次第に丑松は斯人このひと堅実たしかな、引締つた、どうやら底の知れないところもある性質を感得かんづくやうに成つた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
思へば人の知らない悲哀かなしみを胸に湛へて居るのに相違ない。もつとも、自分は偶然なことからして、斯ういふ丑松の秘密を感得かんづいた。しかも其はつい近頃のことで有ると言出した。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)