“愉快”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ゆかい66.9%
ゆくわい17.8%
おもしろ6.8%
こゝろよ1.7%
たのし1.7%
たのしみ1.7%
いいこころもち0.8%
こころよ0.8%
こころよか0.8%
こころよき0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
長吉ちょうきちおもいきってそとてゆきました。けれど、みんなといつものようにいっしょになって、愉快ゆかいあそ気持きもちになれませんでした。
残された日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
しかしあのたくましいムツソリニも一わんの「しるこ」をすゝりながら、天下てんか大勢たいせいかんがへてゐるのはかく想像さうぞうするだけでも愉快ゆくわいであらう。
しるこ (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
何か面白い談話はなしがありましたろう。「ちっとも愉快おもしろくはありませんでした、がこれから面白くなるだろうと思うのです。追々お談話申しましょう。 ...
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
木枯凄じく鐘の音氷るやうなつて来る辛き冬をば愉快こゝろよいものかなんぞに心得らるれど、其茶室の床板とこいた削りにかんなぐ手の冷えわたり
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
香のする花の咲き軟かな草のしげつて居る広野を愉快たのしげに遊行ゆきやうしたところ、水は大分に夏の初め故れたれど猶清らかに流れて岸を洗ふて居る大きな川に出逢いであふた
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
ひとしおひとに譲らねば人間ひとらしくもないものになる、ああ弟とは辛いものじゃと、みちも見分かで屈托のまなこなんだに曇りつつ、とぼとぼとして何一ツ愉快たのしみもなきわが家の方に
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
お前さんが御免にお成りだと聞いちゃアあたし愉快いいこころもちはしないよ、愉快いいこころもちはしないからアア困ッた事に成ッたと思ッて、ヤレこれからはどうして往く積だ
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
木枯こがらしすさまじく鐘の氷るようなって来る辛き冬をば愉快こころよいものかなんぞに心得らるれど、その茶室の床板とこいた削りにかんなぐ手の冷えわたり
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
和気かき香風のうちに、臥榻がとうを据えてその上にそべり、次第にとおざかり往くあぶの声を聞きながら、ねぶるでもなく眠らぬでもなく、唯ウトウトとしているが如く、何ともかとも言様なく愉快こころよかッたが
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
それがまたつけられるようで快い。今眼が覚めたかと思うと、また生体しょうたいを失う。繃帯をしてから傷のいたみも止んで、何とも云えぬ愉快こころよきに節々もゆるむよう。