“惜”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おし35.7%
34.0%
をし13.7%
12.7%
あたら0.5%
をしむ0.5%
あた0.5%
おしい0.2%
0.2%
いだま0.2%
おしむ0.2%
おしゅ0.2%
くや0.2%
をしま0.2%
アタラ0.2%
0.2%
ヲシ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
母とお重が別れをおしむように浮かない顔をするのが、かえっていやであった。彼らは自分の自由行動をわざと妨げるように感ぜられた。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「なにか、こころからむすめよろこばせるようなうつくしいものはないものか。いくらたかくてもかねをばしまない。」と、両親りょうしんは、ひとはなしました。
笑わない娘 (新字新仮名) / 小川未明(著)
をしまずなげきしが偖ては前夜の夢は此前兆ぜんてうにて有りけるか然し憑司殿か案内こそ心得ぬ豫て役人をこしらへての惡巧わるだくみか如何せんとひとり氣を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
何? 親分はもう歸んなすつた、——それはしい事をした、大變な證據が手に入つたんだ。泥坊仲間でしめし合せた手紙を、千兩箱を
沼名河ぬながはの底なる玉、求めて得し玉かも、ひりひて得し玉かも、あたらしき君が、老ゆらく惜しも」(三二四七)というのもある。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
嗟乎あゝをしむべし、かゝる美人びじんこの辺鄙へんひうまれ、昏庸頑夫こんようぐわんふの妻となり、巧妻こうさいつね拙夫せつふともなはれてねふり、荊棘けいきよくともくさらん事あはれむたえたり。
また今更いまさらかんがへれば旅行りよかうりて、無慘々々むざ/\あたら千ゑんつかてたのは奈何いかにも殘念ざんねん酒店さかやには麥酒ビールはらひが三十二ゑんとゞこほる、家賃やちんとても其通そのとほり、ダリユシカはひそか古服ふるふくやら、書物しよもつなどをつてゐる。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
叔父は園田孫兵衛そのだまごべえと言いて、文三の亡父の為めには実弟に当る男、慈悲深く、あわれッぽく、しかも律義りちぎ真当まっとうの気質ゆえ人のけも宜いが、おしいかなと気が弱すぎる。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
寢床ねとこにはひつても盤面ばんめん腦裡のうりうかんで來て口しさにねむれぬおもひのする事しばしばだが
おど! この木、いだましいな。熊苺の木だで……」
土竜 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
あたえめぐむべき事あらばたからおしむべからず。但し我気に入りたるとて用にも立ぬ者に猥に与ふべからず。
女大学評論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
朝の別れがおしゅうて出仕に遅れ、それで御番士の役が勤まると思わるるかッ? のみならず、夕御番は両三度ならず欠勤、それも、一夜なりとも新妻にいづまと離れともないと言わるるのじゃろう——いやはや
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
その中でも吾輩の「脳髄論」の内容は、ここに挟んだ切抜きの通り、既に新聞に破抜ぱぬかれているので、これ以上の内容がある訳でもないから、くやしい事はちっともない。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
あやしくもにはか名残なごりをしまれて、今は得もはなたじと心牽こころひかるるなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
……地をアタラしとこそ、我が汝兄ナセの命かくしつれとり直せども、猶其悪態不止而ナホソノアシキワザヤマズシテ転。(神代記)
言語の用語例の推移 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
仰ひで死なんと思ふに今の苦しみにくらぶれバ我か命つゆ〈原〉からず いで一生の晴れに死別会と云ふを催ほすも興あらむ 試にいはゞ日を限りて誰彼に其の旨を
牡丹句録:子規病中記 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
オノ」の方は「お」類の万葉仮名を使い、「ヲシ」の方は「を」類の万葉仮名を使うという風に、語によってはっきりきまっているということを契沖が見つけたのであります。
古代国語の音韻に就いて (新字新仮名) / 橋本進吉(著)