“悲愴”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひそう80.6%
パセティック6.5%
ひさう6.5%
パセテーク3.2%
パテチック3.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
おりうのために家をつぶし、侍であることも捨てながら、やけになったり、のんだくれることで自分を悲愴ひそうにみせかけようとしたりはしない。
滝口 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
悲愴パセティックな震動が彼の心に伝わった。意味の分らないヴェールがふわりと下りて来て、その中に自分というものが朧ろ朧ろになってゆくような気がした。
恩人 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
かれには悲愴ひさうかんほかに、だ一しゆ心細こゝろぼそかんじが、こと日暮ひぐれよりかけて、しんみりとみておぼえた。これ麥酒ビールと、たばことが、しいのでつたとかれつひ心着こゝろづく。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
昨夜音楽をきいてチャイコフスキーの「悲愴パセテーク交響楽」をきいて、ああこのように人の心に絡みつく音を、と思いました、寿江子にそう云ったら「チャイコフスキーは二流」と云った。
この市街戦の経過をしるす前に、この戦闘が世にも悲愴パテチックなものだったというその裏の事情を叙述するのが順序であろう。
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)