“患”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
わずら40.7%
うれ22.9%
わづら11.3%
うれい8.7%
うれひ3.5%
わづ3.0%
わず2.2%
うれへ0.9%
うれえ0.9%
かん0.9%
なや0.9%
0.9%
わざわい0.9%
わる0.4%
うれう0.4%
かか0.4%
わざわ0.4%
わずらい0.4%
わずろ0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
丁度結婚後二年目の終りに、わしはチフスをわずらって、しかもそれがこじれて、三月というもの、病院生活をしなければならなかった。
白髪鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
今の人民の世界にいて事をくわだつるは、なお、蝦夷地えぞちに行きて開拓するが如し。事の足らざるはうれいに非ず、力足らざるをうれうべきなり。
学者安心論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
「本人は歸りたいに決つてゐます。あんな蛸入道たこにふだうおこりわづらつたやうな、五十男の手掛になつて、日蔭者で一生を送りたい筈はありません」
今の人民の世界にいて事をくわだつるは、なお、蝦夷地えぞちに行きて開拓するが如し。事の足らざるはうれいに非ず、力足らざるをうれうべきなり。
学者安心論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
足下そこのごとく虚弱たよわき人のかくうれひに沈みしは、神仏に祈りて一四六心ををさめつべし。一四七刀田とださとにたふとき一四八陰陽師おんやうじのいます。
友達は蜜柑があんまり好きで膽石をわづらつたことがあつたのだ。ずつと前にも急病だといふので澁谷の家へ急いでいつたら、矢つ張り蜜柑の食べすぎだつた。
あるとき (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
余は天井てんじょうを眺めながら、腹膜炎をわずらった廿歳はたちの昔を思い出した。その時は病気にさわるとかで、すべての飲物を禁ぜられていた。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
しかるにこれらは被造物つくられしものなり——是故にわがいへることまことならばこれらには滅ぶるのうれへあるべきならず——と 一二七—一二九
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
雨風のうれえのない、人目にかかるおそれのない、一晩楽にねられそうな所があれば、そこでともかくも、夜を明かそうと思ったからである。
羅生門 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
とはいえ、呂布を放置しておかんか、これまた、いよいよ勢いを強大にし、将来のかんとなるのは目に見えておる。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
カピ長 (ロミオの一群に)ようこそ、方々かた/″\! 肉刺まめなやんでらん婦人ふじんは、いづれもよろこんで舞踏敵手おあひてになりませうわい。
いっそ馬鹿とか白痴たわけとか云われたのならば、清吉も左ほどには感じなかったかも知れないのですが、ふだんから自分も苦にんでいる自分の弱味を真正面まともから突かれたので
三浦老人昔話 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
かえってわざわいすることになりはしないかと思って、遂に書く決心も鈍ってしもうのであった。
お夕飯のとき、ほんのぽつちりしか召上りませんでしたもの。今日はあなたどこかお加減でもわるいのぢやないかと私、氣にしてを
右の次第をもって考うれば、人民の世界に事務なきをうれうるに足らず。実はその繁多にしてこれに従事するの智力に乏しきこそうれうべけれ。
学者安心論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
動物は、猿、山羊、モルモット、白ねずみ、兎——特殊なものとしては、鼠癩にかかつた白ねずみが、三匹、特別の箱に這入つてゐた。
間木老人 (新字旧仮名) / 北条民雄(著)
「いやいや、一敵減ずれば、一敵生ず。——決して安心はならぬ。甲軍の強大があればこそ、抑えられていた越後の上杉謙信が、こんどは直接、こっちへわざわいして来ようぞ。謙信の眼の黒いうちは、どうしてまだまだ……」
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
... 受けたとえば大樹の衆鳥れに集ればすなわち枯折のわずらい有るがごとく」また「世間に縛著ばくちゃく」せられて「譬えば老象のどろおぼれて自らずる事あたわざるが如く」
愛と認識との出発 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
長いことわずろうてはったん?………と聞いても、さあ、………と云うので、この頃ちょっとも会うてやないのん? と云うと、又、ふん、と鼻の先で答えたきりであった。
細雪:03 下巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)