“悉皆屋”の読み方と例文
読み方割合
しっかいや100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
呉服屋も来る、悉皆屋しっかいやも来る。たとい妻女に機織りや裁縫の心得はなくとも、私は別に着る物に困りはせぬ。
貧乏物語 (新字新仮名) / 河上肇(著)
T子の姉婿のGという京染悉皆屋しっかいやが、仕様のないニヤケ男の好色すけべい野郎で、婿入りをすると間もなく、義妹いもうとのT子に云い寄りはじめて、恐ろしく執拗しつこいので困っている矢先だったから
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
それに、ずっと以前に女から一人の叔父は油の小路とかで悉皆屋しっかいやとか糊屋のりやとかをしていると聞いていたように思う。母親が上京の方の親類に同居して厄介やっかいになっているといったのも、そこかも知れぬ。
狂乱 (新字新仮名) / 近松秋江(著)