“恟々”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きょうきょう65.3%
おどおど21.1%
おずおず5.3%
びくびく2.1%
びく/\2.1%
きようきよう1.1%
きよう/\1.1%
こわごわ1.1%
どきどき1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
三法師丸は安土城に入れ、清洲の信雄を移り来らしめて後見となした。天正十年十二月の事で、物情恟々きょうきょうたる中に年も暮れて行った。
賤ヶ岳合戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
「まだ、ひき受けたものの、おめえも恟々おどおどしているだろうが、御城内へはいってから、半月も働いているまには、自然、はらもすわってくる」
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
女の声にせかれて、馴れない場所へ恟々おずおずと入りかけると、後ろにあたって、バタバタという跫音が遠のいて行った。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「なアんだ、おじさんは、そんなことに恟々びくびくして、寝つかれなかったのかい。強そうな恰好をしているけれど、内心は臆病なんだなあ」
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
若し夢の中で妻の名でも呼んだら大へんだといふ懸念に襲はれ、その夜からは、寢に就く時は恟々びく/\して手を胸の上に持つて行かないやうに用心した。
崖の下 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
さればここに二十七日と推薄おしつまりたる歳末の市中は物情恟々きようきようとして、世界絶滅の期のつひに宣告せられたらんもかくやとばかりに、坐りし人は出でて歩み、歩みし人は走りて過ぎ、走りし人は足も空に
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
お高婆さんの皺くちやな顔が覗くと、首をすくめて恟々きよう/\する。
と、恟々どきどきしていたが、そうではなかった。何か用事があるから、清麿が帰って来たら、すぐ屋敷へ来るようにという口上なのであった。
山浦清麿 (新字新仮名) / 吉川英治(著)