“性質”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
たち61.2%
せいしつ25.3%
うまれつき4.1%
ひと1.6%
さが1.6%
きだて0.8%
ひととなり0.8%
もちまえ0.8%
きしょう0.4%
こゝろ0.4%
おこころもち0.4%
こころばせ0.4%
しょうぶん0.4%
ところ0.4%
ひとがら0.4%
もちまへ0.4%
キヤラクター0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それに、野村と二川とは性格が正反対といっていゝほどで野村はく陽気な性質たちだったし、二川は煮え切らない引込思案の男だった。
もしみぎのような性質せいしつ心得こゝろえてゐると、こゝろ落着おちつき出來できるため、危急ききゆう場合ばあひ機宜きゞてきする處置しよち出來できるようにもなるものである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
萬一斯かる事あらんには、大納言殿(宗盛)は兄の内府にも似ず、暗弱あんじやく性質うまれつきなれば、もとより物の用に立つべくもあらず。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
文公ぶんこう、そうだ君の名は文さんとか言ったね。からだはどうだね。」とかどばった顔の性質ひとのよさそうな四十を越した男がすみから声をかけた。
窮死 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
信実のところ私は、一葉女史を畏敬いけいし、推服してもいたが、私の性質さがとして何となく親しみがたく思っていた。
樋口一葉 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
温厚しい性質きだての麟は一歳違ひの其妹よりも熱の高い病人で居ながら、覗く度に自分に笑顏を作つて見せるのであつた。
巴里にて (旧字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
優しい一方とのみみえる萩乃の性質ひととなりに、どこかりんとして冒すべからざるところのほの見えるのは、この、生前先生ののぞまれたとおりに、勇烈確乎かっこたる大精神が、この荒磯の襖とともに
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
いかにってげ出したような性質もちまえがさする返答なればとて、十兵衛厭でござりまするとはあまりなる挨拶あいさつひと情愛なさけのまるでわからぬ土人形でもこうは云うまじきを
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
もう承知しておくれだッたのだから、くどく言うこともないのだが……。お前さんの性質きしょうだと……もうわかッてるんだから安心だが……。吉里さん、本統に頼むよ
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
跡に殘るは天地の間に生れ出でしまゝの我身瀧口時頼、いのちとともに受繼うけつぎし濶達くわつたつ氣風きふう再び欄漫らんまんと咲き出でて、かたちこそ變れ、性質こゝろは戀せぬ前の瀧口に少しもたがはず。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
却って悪い性質の女子でも、お殿様の性質おこころもちを変えぬならば、その女子の方が御身の為また私共の為かと存じます。……一体、あの女子は、どこからお連れなされました。
レモンの花の咲く丘へ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
次第に成長するにつけ、骨格ほねぐみ尋常よのつねの犬にすぐれ、性質こころばせ雄々おおしくて、天晴あっぱれ頼もしき犬となりけり。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
やはり持って生まれた性質しょうぶんと見えまして、烈しいこともできず、烈しい言葉すらあまり使わず、見たところ女などには近よることもできない野暮天に見えますので
女難 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
警察のやかましいぐらい平気でいるかと思ったら、また存外神経質で処女きむすめのように臆病な性質ところもあった。
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
飛天夜叉桂子の性質ひとがらと、その力量とを知らないかららしい。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
如何に伐つて抛げ出したやうな性質もちまへが為する返答なればとて、十兵衞厭でござりまするとは余りなる挨拶、ひと情愛なさけの全で了らぬ土人形でも斯は云ふまじきを、さりとては恨めしいほど没義道な
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
人間の性質キヤラクターは倫理道徳の拘束によりてのみ建設すべきものにあらず、純美を尋ね、純理を探る、世の詩人たり、学者たる者、優に地平線的思想家の預り知らざる所に於て
国民と思想 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)