“忘却”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ぼうきゃく42.1%
ばうきやく36.8%
わすれ15.8%
わす5.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
薄暗い神殿しんでんの奥にひざまずいた時の冷やかな石の感触かんしょくや、そうした生々しい感覚の記憶の群が忘却ぼうきゃくふちから一時に蘇って、殺到さっとうして来た。
木乃伊 (新字新仮名) / 中島敦(著)
はからずも貴方あなたの御助けに預かりし事まことに有難く存じ奉つる此御恩このごおん生々しやう/″\世々せゝ忘却ばうきやく仕まつらず候と夫婦諸共もろともに涙を流して申しけり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「アほんにそうでしたッけ、さっぱり忘却わすれていました……エー母からもこの度は別段に手紙を差上げませんがよろしく申上げろと申ことで」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
人は往々にして、真の驚異や、真の感激や、真の美意識に遭遇ぶつかった時、時間とき空間ところとを忘却わすれるものであるが、この時の二人がまさにそれであった。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)