“御殿”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ごてん81.8%
おとど7.8%
みとの3.9%
おどん1.3%
おんとの1.3%
うどうん1.3%
みどの1.3%
オドン1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それで、ひすいを見分みわけるために、御殿ごてんされた老人ろうじんは、きさきくなられると、もはや、仕事しごとがなくなったのでひまされました。
ひすいを愛された妃 (新字新仮名) / 小川未明(著)
秋風のにも虫の声にも帝が悲しみを覚えておいでになる時、弘徽殿こきでん女御にょごはもう久しく夜の御殿おとど宿直とのいにもお上がりせずにいて
源氏物語:01 桐壺 (新字新仮名) / 紫式部(著)
ここ、あらゆる行事や行幸いでましも見あわせられて、夜の御殿みとのも、昼の御座ぎょざも、清涼殿せいりょうでんいったいは巨大な氷室ひむろことならなかった。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そしてその形式はいずれもしょう家の神社なる聞得大君きこえおおぎみ御殿おどんにまねて祖先の神と火の神と鉄の神とを祭らしたのであります。
ユタの歴史的研究 (新字新仮名) / 伊波普猷(著)
「小さいとはいわぬがな。——御殿おんとのの器量をたたえたのじゃ。自然、諸侯を率いる器をそなえておらるるものと」
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
風土、気候のせいもありますが、このことは沖縄において如何に型染が上御殿うどうんから下町家に至るまで愛好されたかを告げています。昔は首里の当蔵とうのくら儀保ぎほ等には軒を並べて型染の家が栄えました。
民芸四十年 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
彼をその場におきすて、さっさと、妃の宮の御殿みどののうちへ入ってしまわれた。
なんでも月がまつ白に照つて、ある旧王族の御殿オドンだつたとか言ふ其屋敷の石垣の外に、うら声を曳く若い男の謡が、替る/″\聞える夜であつた。
若水の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)