“弾傷”の読み方と例文
読み方割合
たまきず100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
幻でもなければ夢でもない! 今一匹の大熊が、脚に弾傷たまきずを負いながら、既に血迷った見えぬ眼で、数馬に向かって飛びかかった。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
伸びる盛りの肉体だった、武蔵の弾傷たまきずがすっかりなおる頃には、又八はもうまき小屋の湿々じめじめした暗闇に、じっと蟋蟀こおろぎのような辛抱はしていられなかった。
宮本武蔵:02 地の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
棒に縛られて舁がれてゆくこの高雅な山のさちは、まるで童話の中の不仕合せな王子のやうに慎ましく、痛ましい弾傷たまきずは見えなかつたけれど、いかめしい角のある首が変なところへ挟まつたまま
測量船 (新字旧仮名) / 三好達治(著)