“引摺”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひきず91.8%
ひきずり5.5%
ひきずっ0.5%
ひきずら0.5%
ひきづ0.5%
ひさず0.5%
ひっずり0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
赤帽のいない駅なので、自分のお粗末な革鞄トランクをまるで引摺ひきずるようにして、空架橋の線路の向う側からこっち側へと昇って降りて来た。
田舎医師の子 (新字新仮名) / 相馬泰三(著)
剥出むきだし是サ此子はこはい事はない此伯父と一所に歩行々々あゆめ/\引摺ひきずり行を娘はアレ/\勘忍かんにんして下されませ母樣かゝさまが待て居ますと泣詫なきわびるを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
お前が愚図々々ぐずぐず云うなら即席に叩倒たたきたおして先生の処に引摺ひきずっいっろうと思ったその決心が顔色がんしょくあらわれて怖かったのか何か知らぬが、お前はどうもせずに引込ひきこんで仕舞しまった。如何いかにしても済まないやつだ。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
世間という鎖につながれていやでも応でも引摺ひきずられて、その日その日を夢のように御暮しなさるというよりか、見る影もない巡礼なぞの身の上の方がかえって自由なように御思いなさるのでした。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
真面目しんめんもくならざる宗教家しふけうかとは、直接ちよくせつ間接かんせつ外国ぐわいこく伝道でんだう会社ぐわいしや補助ほじよあづかり居りながら外国ぐわいこく宣教師せんけうし悪口あくこう批難ひなんするものなり、社界しやかい先導者せんだうしやを以て自らにんじ居りながら社界しやかい引摺ひきづられつゝ行くものなり
時事雑評二三 (新字旧仮名) / 内村鑑三(著)
真先まっさきが女で、二番目がまた女、あとの二人がやっぱり女、みんな顔の色が変ってまさ、島田か銀杏返いちょうがえしか、がッくり根が抜けて、帯を引摺ひさずってるのがありますね、八口の切れてるのがありますね
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
もとは健ちゃんも知ってる通りの始末で、随分はげしかったもんだがね。ったり、たたいたり、髪の毛を持って座敷中引摺ひっずり廻したり……
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)