“幼”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おさな23.3%
をさな16.4%
おさ11.3%
をさ10.1%
いとけな9.4%
ちいさ8.2%
ちい6.3%
いとけ3.1%
ちひさ3.1%
おさなき1.3%
うぶ0.6%
いと0.6%
うひ0.6%
0.6%
ちいさい0.6%
ちさ0.6%
ちっ0.6%
ちひ0.6%
よう0.6%
わかき0.6%
をさない0.6%
をさなき0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
って、あたりを見𢌞みまわしたとき袖子そでこなにがなしにかなしいおもいにたれた。そのかなしみはおさなわかれをげてかなしみであった。
伸び支度 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
いとな七日々々なぬか/\追善供養つゐぜんくやうも心の及ぶだけはつとめしが何分男の手一ツでをさなき者の養育やういく當惑たうわくひるは漸く近所きんじよとなりもらちゝなどしよる摺粉すりこ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
二人の刑事の顔、壮平爺さんの嬉しそうな顔、そしておさ馴染なじみの清子の無邪気むじゃきな顔、——それが見る見るあでやかな本牧の女の顔に変る。
疑問の金塊 (新字新仮名) / 海野十三(著)
お谷さんは私のをさ馴染なじみですが、四方屋の先の内儀おかみさんが嫁に行く時お里からついて行つた人で、四方屋にだけでも二十年も奉公してゐる忠義者です。
いとけなき保の廊下に遊嬉いうきするを見る毎に、戯に其臂を執つてこれをむ勢をなした。保は遠く柏軒の来るを望んで逃げかくれたさうである。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
尫弱ひよわかったちいさい頃の房吉の養育に、気苦労の多かったことなどを言立てる隠居のことばを、好い加減に房吉は聞流していた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
こりゃア神様のお引合せにちげえ、何うも大きく成りやアがったなア此畜生こんちきしょうちいせえ時分別れて知れやアしねえ、本当に藤屋の娘か
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
我れ死んだら老いたる祖父おじいさんいとけない妹はいかに歎くであろう、しかしこの瞬間に於いて我が死を止めてくれる者がないから仕方がないのだ。
愛か (新字新仮名) / 李光洙(著)
自分はちひさい時乳母うばから、或お姫様がどう云ふ間違からか絹針を一本おなかの中へ呑込んでしまつた。お医者様も薬もどうする事も出来ない。
海洋の旅 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
縮をおる処のものはよめをえらぶにも縮のわざを第一とし、容儀ようぎつぎとす。このゆゑに親たるものは娘のおさなきより此わざ手習てならはするを第一とす。
「この家でみんなに思わるれば、お庄さんも幸福しあわせだよ。婿さんは若くてうぶだし、物はあるしさ。」と、従姉あね手擦てすりにもたれていながらうらやましそうに言った。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
まだいとけなき少年の頃よりして、この故しらぬ靈魂の郷愁になやまされた。夜床はしろじろとした涙にぬれ、明くればにはとりの聲に感傷のはらわたをかきむしられた。
青猫 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
そこで兵三郎のことといふと夢中になる娘のお輝をだました。——お輝は一寸見はうひ々しく、いかにも子供らしいが、もう立派な娘だ。
其様そんな事べえ云ってハア手におえねえのサ、もっとでけ負傷けがアして片輪になる者さえあるだに、左様そう心配しんぺえしねえがえと云うが、あれっけえ時から内気だから、ハア
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
それはイエスがちいさい時から、愛誦したという歌であった。
銀三十枚 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
わしらは、ちっけなときからゴリラソコをみてるだが、雨んなかを、死神にひかれて歩かせられてゆくような、ゴリラソコにかぎって北へゆかねえものはねえでがす
人外魔境:01 有尾人 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
斎藤と彼の家とは昔から親しく往来してゐて、従つて繁代と彼とはちひさい頃から友達だつた。彼は、今迄繁代に一度も考へたこともない気持を初めて感じた。
眠い一日 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
ようより芝居寄席よせに至るをこのみ、また最も浄瑠璃じょうるりたしなめり。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
湖水のみどりなるを見るより、四一うつつなき心にびて遊びなんとて、そこに衣をてて、身ををどらして深きに四二飛び入りつも、彼此をちこちおよぎめぐるに、わかきより水にれたるにもあらぬが
唯今たゞいまおびれたをさないのの、じつたものにると、おほかみとも、とらとも、おにとも、ともわからない、すさまじいつらが、ずらりとならんだ。……いづれも差置さしおいた恰好かつかう異類いるゐ異形いぎやうさうあらはしたのである。
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
我もし兎も角もならん跡には、心に懸かるは只〻少將が身の上、元來孱弱の性質、加ふるにをさなきより詩歌しいか數寄の道に心を寄せ、管絃舞樂のたのしみの外には、弓矢の譽あるを知らず。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)