“幻燈”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
げんとう80.0%
うつしえ5.0%
うつしゑ5.0%
まぼろし5.0%
フロ5.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
玩具屋おもちゃやの主人は金属製のランプへ黄色いマッチの火をともした。それから幻燈げんとううしろの戸をあけ、そっとそのランプを器械の中へ移した。
少年 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
紫の幕、くれないの旗、空の色の青く晴れたる、草木の色の緑なる、ただうつくしきもののいやが上に重なり合ひ、打混うちこんじて、たとへばおおいなる幻燈うつしえ花輪車かりんしゃの輪を造りて、はげしく舞出で、舞込むが見え候のみ。
凱旋祭 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
地獄ぢごくかまふたつて、娑婆しやば吹上ふきあげた幻燈うつしゑおもふたよ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
それにつれて私のお父様の顔や、お母様の顔や、または生れてから十二年の間に住まっておりました故郷の家の有様なぞが、幻燈まぼろしのように美しく、千切ちぎれ千切れに見えて参ります。
押絵の奇蹟 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
その光はそれと相対の位置に据付けてある幻燈フロ種板たねいたとレンズを透して反対側の壁に像を結ぶという他愛のない仕掛なのであります。