“尖角”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
せんかく33.3%
とが33.3%
とがり33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
秀吉もまた、直ちにそれを、察知したものの如く、前線の尖角せんかく陣地から山麓の要所へわたって、壕を掘らせ、柵をわせ、かつ
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼は首を真直ぐに堅めながら、その尖角とがった肩先で女たちを跳ねのけ跳ねのけ進んでいった。彼の首は前後から女の腕に絡まれながらも、波を押しきる海獣のように強くなった。
上海 (新字新仮名) / 横光利一(著)
その骨の尖角とがりの間から洩るる大空が、気味の悪いほどに澄切すみきっているのは、やがて真黒な雪雲を運び出す先触さきぶれと知られた。人馬の交通をさえぎるべき厳寒の時節もようやく迫り来るのである。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)