“尖端”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
せんたん48.7%
さき34.0%
とっさき2.7%
とつさき2.0%
とつぱな2.0%
はし2.0%
きっさき1.3%
とがり1.3%
とっぱな1.3%
あたま0.7%
とったん0.7%
とっぱし0.7%
とっぱずれ0.7%
とつたん0.7%
とんがり0.7%
モダン0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そういう意味で、現代物理学の最尖端せんたんを行く原子論方面の研究は、国防に関聯かんれんある研究所でも一応の関心を持っていて良いであろう。
原子爆弾雑話 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
塔の燒跡に突つ立てた竿の尖端さきが影を落したあたり、塔から幾らも離れてゐない水田の中の一點を、平次は自信に充ちて指すのでした。
片手で袖をつかんだ時、布子の裾のこわばった尖端とっさきがくるりとねて、ばばあの尻が片隅へ暗くかくれた。かまどの火は、炎を潜めて、一時いっときに皆消えた。
古狢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
てる絶壁ぜつぺきしたには、御占場おうらなひばがけつて業平岩なりひらいは小町岩こまちいは千鶴ちづるさき蝋燭岩らふそくいはつゞみうら詠続よみつゞいて中山崎なかやまさき尖端とつさききばである。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
とりわけて目を引いたのは松輪崎の尖端とつぱなに立つてゐる白浪で、西から来る外洋のうねりを受け、際立つて高い浪が真白に打ちあげて、やがては風に散つて其処等を薄々と煙らせてゐる。
岬の端 (新字旧仮名) / 若山牧水(著)
現に兇行用のものに相違ない、尖端はしに血の附いた仕事用の鉄槌が、おやじの右脇に在る粗末な刻みの煙草盆の横に転がっていた。兇行後、無造作に投出して行ったものと認められた。
山羊髯編輯長 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
不幸な露国皇帝が彼の死を死んだ運命の尖端きっさきは、非常に微細な片言の裡に変形して現われて居ります。
C先生への手紙 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
目前の獲物に気を奪われていた𤢖共は、暗い中から突然おどり出たお葉の姿に驚くひまもなく、彼女かれ逆手さかてに持ったる簪の尖端とがりは、冬子に最も近き一人いちにんの左の眼に突き立った。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
向こうのおかに現われた敵軍の大勢! 丸二つ引きの旗をへんぽんとひるがえして落日を後ろにおか尖端とっぱな! ぬっくと立った馬上の大将たいしょうはこれ歴史で見た足利尊氏あしかがたかうじである。
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
見たんだがね、二十里も前の方にニコライの屋根の尖端あたまが三つばかり見えたよ
火星の芝居 (新字新仮名) / 石川啄木(著)
と見ると、怪し火は、何と、ツツツと尾をきつつ、先へななめに飛んで、その大屋根の高い棟なる避雷針の尖端とったんに、ぱっと留って、ちらちらと青く輝きます。
雪霊続記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
きざきざの緑の端に、のこのこと天窓あたまを出した雲の峯の尖端とっぱしが、あたかも空へ飛んで、幻にぽちぽち残った。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
佐内坂の崖下、大溝おおどぶ通りを折込おれこんだ細路地の裏長屋、棟割むねわりで四軒だちの尖端とっぱずれで……崖うらの畝々坂うねうねざかが引窓から雪頽なだれ込みそうな掘立一室ほったてひとま
菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
さきなゝめんで、大屋根おほやねたかむねなる避雷針ひらいしん尖端とつたんに、ぱつととまつて、ちら/\とあをかゞやきます。
雪霊続記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
その高い、高い天蓋やね尖端とんがり、それに、朝日が最初の光を投げ、夕日が最後の光を懸ける……。
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
ふえいたらをどれ、なんでも舶來はくらいもののなへならべること、尖端モダン新語辭典しんごじてんのやうになつたのは最近さいきんで、いつか雜曲ざつきよくみだれてた。
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)