“尖”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
とが55.1%
さき32.6%
4.9%
とん2.6%
とんが1.8%
するど0.4%
0.4%
せん0.4%
とがり0.4%
する0.2%
0.2%
トガ0.2%
サキ0.1%
ささ0.1%
さわ0.1%
とがら0.1%
とげ0.1%
とン0.1%
ほそ0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
また例のやつが彼の腹の中で初まった。すると急に元気づいて来て、口をとがらし、口笛で何かでたらめのマーチをやり出したりした。
六月 (新字新仮名) / 相馬泰三(著)
書く時には原稿紙の方を動かして右の手の筆のさきへ持つて往てやるといふ次第だから、只でも一時間か二時間かやると肩が痛くなる。
ラムプの影 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
と、白玉喬はくぎょくきょうは片手を腰に、また、片方のンがり靴をぴょんと前へ投げ出し、手にしていた薄手な盆をかざすなり見物席を眺め渡して
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
燃えさしの薪を靴の爪尖つまさきで踏みつけると、真赤な焚きおとしが灰の上にくずれて、新らしいほのおがまっすぐにとんがって燃えあがった。
犬舎 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
そして眼には、大きな黒い眼鏡をかけ、いままで崩れた土塊をおこしていたらしく、右手には長い金属製のとんがづえをもっていた。
○○獣 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ひくくて眉毛まゆげまなこするどく其上に左の目尻めじり豆粒程まめつぶほどの大きな黒子ほくろが一つあり黒羽二重はぶたへ衣物きものにて紋は丸の中にたしか桔梗ききやうと言れてお金は横手を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
地平線の上へ指のきを並べたようなアルプス連山をサフラン色に染めて行く景色を、はっきりと脳裡に感じながら、新吉はだん/\意識を取戻して行った。
巴里祭 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
そして側には一りの弓を立て、腰には両刃りょうばせんの八環刀かんとういて、久しぶりな闘争の発汗に会ったためか酒の色か、いかにもこころよげな眉宇びうに見える。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
背後うしろの方で老宰相のあえぎあえぎ云うのが聞えた。小さな青い鳥が左側のいわとがりにとまって、く、く、くと耳にみるように鳴いた。李張の眼がそれに往った。
悪僧 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
葉縁にはするどき細鋸歯がならんでしごけばよく手を切る事は人の知っている通りである。支那の書物にも「甚ダ快利ニシテ人ヲ傷クルコト鋒刀ノごとシ」
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
ひしひしとしみみ立てたれ竹のは突きぬけて寒し竝倉の上に (二八九頁)
文庫版『雀の卵』覚書 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
が、おなじ複雑でも当代のトガつた生活情調は、さうした修辞法では表されない。其で、女房等の「恋歌」には、直截な表現法をとつたものが多かつた。
今日旗の竿サキにつく金のタマや、五月幟の籠玉の源になる髯籠ヒゲコ(髯籠の話参照)の筋を引いた物に相違ないのである。
幣束から旗さし物へ (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
従七位は、白痴ばかの毒気を避けるがごとく、しゃくを廻して、二つ三つ這奴しゃつの鼻のささを払いながら
茸の舞姫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
一寸医刀のさきさわると身体を動かす。動かないようにと言っても、子供だから聞分けがない。動くと切りますよって驚かしたら、泣き出して尚お動いた。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「本たうですとも。お調べになつてごらんなさい。」三毛猫が口をとがらせて云ひました。
たどりすぎ人の心にとげぞ有る殼枳寺からたちでら切道きりどほし切るゝ身とは知らずともやがて命は仲町と三次は四邊あたり見廻すにしのばずと云ふ名は有りといけはたこそ窟竟くつきやうの所と思へどまだ夜もあさければ人の往來ゆききたえざる故山下通り打過て漸々やう/\思ひ金杉と心の坂本さかもとどほこし大恩寺だいおんじまへへ曲り込ば此處は名におふ中田圃なかたんぼ右も左りも畔道あぜみちにて人跡じんせきさへも途絶とだえたる向ふは
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
やあ、僕の理想は多角形で光沢があるの、やあ、僕の神経はきりの様にとンがって来たから、是で一つ神秘の門をつッいて見るつもりだのと、其様そんな事ばかり言う。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
あのほそい神経の持ち主が、ここまで来ればもう一寸やそっとでは、此の三角形の脅迫観念から退れることはできまいという事も思い合わせることが出来ました。
三角形の恐怖 (新字新仮名) / 海野十三(著)