“射干”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひあふぎ45.5%
しゃかん18.2%
ひおうぎ18.2%
しゃが9.1%
ひあふき9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
かういふことを云つたのである。不審に思つたから再び脇へ出て見たら、杉皮が僅に雨を覆うて居る檐端のきばの手の屆く所に鳥の巣が二つならんである。射干ひあふぎのすぐ上である。
炭焼のむすめ (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
射干しゃかんは「ひおうぎ」「からすおうぎ」などいえる花草にして、ここは「照射ともしして」の誤なるべし。
俳人蕪村 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
桔梗や、浜菊や、射干ひおうぎや待宵草が咲いてゐる。しかし花が咲いてゐて札が立てて無いのもある。札が立ててあつて、草の絶えてしまつたのもある。
田楽豆腐 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
高く抽き出でた花はあつまってまぼろしの雲と棚曳き魂魄を匂いの火気に溶かしている。林や竹藪の中にくぐまる射干しゃが、春蘭のような花すら美しき遠つ世を夢みている。
富士 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
九谷焼の花瓶に射干ひあふきと白い夏菊なつぎくの花を投込なげこみに差した。中から大きいあぶが飛び出した。紅の毛氈を掛けた欄干てすりの傍へ座ると、青い紐を持つて来て手代が前の幕をかかげてくれた。
住吉祭 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)