“寒竹”の読み方と例文
読み方割合
かんちく100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その癖くびのまわりには、白と黒と格子縞こうしじま派手はでなハンケチをまきつけて、むちかと思うような、寒竹かんちくの長い杖をちょいとわきの下へはさんでいる。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
暗いランプに照らされたすすけた台所で寒竹かんちくの皮をいている寒そうな母の姿や、茶の間で糸車を廻わしている白髪の祖母の袖無羽織の姿が浮び
重兵衛さんの一家 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
肥前鍋島家ひぜんなべしまけの役人、山目付やまめつけ鈴木杢之進すずきもくのしんという色の黒いさむらい、手に寒竹かんちくつえをもち、日当たりのいい灌木かんぼくの傾斜を、ノソリ、ガサリ、と歩いている。
増長天王 (新字新仮名) / 吉川英治(著)