“容姿”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
すがた28.3%
ようし15.1%
かたち15.1%
ようす9.4%
なり7.5%
きりやう5.7%
かおかたち5.7%
きりょう3.8%
カオ1.9%
かほ1.9%
すがたかたち1.9%
みなり1.9%
みめ1.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「はあ、ひどい病気で……」私は、そういって、すぐ心の中ではあの繊細かぼそい彼女の美しく病み疲れた容姿すがたを思い描きながら
狂乱 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
当時は重々しい容姿ようし流行はやったのである。この教諭はもう心得でなかった。前々年に卒業して去年検定を取ったから一躍三十五円に昇級していた。
首席と末席 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
苟且かりそめにも血液けつえき循環じゆんくわん彼等かれら肉體にくたい停止ていしされないかぎりは、一たんこゝろうつつたをんな容姿かたち各自かくじむねから消滅せうめつさせることは不可能ふかのうでなければならぬ。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
と私が尋ねますと、父は微笑んで、鏡といふものは男にも大切だ、殊に斯うして旅にでも來た時は、自分の容姿ようすを正しくしなければ成らないと私に話しました。
子供のくせに気取った容姿なりをして、小風呂敷を抱えた様子が、いかにもこまっちゃくれているが、よく見るとそれは甲州の山の中できんを探していた忠作でした。
「そいつあ、困つたなあ。誰が目から見ても容姿きりやうぢやちよつと過ぎた良人だからなあ。細君の方で反抗したつてそれあ駄目だよ。」
瘢痕 (新字旧仮名) / 平出修(著)
奥様の思いやつれた容姿かおかたちは、まゆのさがり、目の物忘れをしたさまから、すこし首をかしげて、御頭おつむりを左の肩の上に乗せたまでも、よく見えました。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
取りたてていうほどの容姿きりょうではなかったが、一寸印象を与える顔立だった。顔の下半分が可愛かった。
反抗 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
此意富多々泥古を、神の子と知る故は、上に云える玉依比売、それ、容姿カオよかりき。是に神壮夫カミオトコありて其形姿容儀カオスガタ世に比い無きが、さ夜なかに、忽ちに来つ。
比較神話学 (新字新仮名) / 高木敏雄(著)
汝は誰やし老女をみなぞ、何すれど参来つると問はしければ、赤猪子まをしけらく、その年その月に天皇の命を被りて今日まで大命を仰ぎ待ちて、八十歳を経にけり、今は容姿かほすでに老いて更に恃みなし。
枕物狂 (新字旧仮名) / 川田順(著)
何れ劣らぬ情のこまやかさに心迷ひて、一つ身の何れをそれとも別ち兼ね、其れとは無しに人の噂に耳を傾くれば、或は瀧口が武勇ひとすぐれしをむるもあれば、或は二郎が容姿すがたかたちの優しきをたゝふるもあり。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
あげし方が足下そくかの家の息子むすこなりしかとは知ねども容姿みなりもよく若きに似氣にげなく物柔ものやはらか折屈をりかゞみき人なればむすめもつは早くも目が附き何處いづこの息子か知ざれど美男びなんの上に温順おとなしやとおなじ事ならあゝいふ人に娘を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
香炉の灰を灰振はいふるいでふるってお呉れ…見れば誠にお人柄の容姿みめ形も賤しからん姉さんだがお屋敷さんか、どういう処におでゞ、何ういう訳があって身を投げたか、それを聞かせて下さい
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)