“宛”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
24.8%
ずつ21.4%
あて18.4%
さなが7.6%
づゝ5.9%
あたか4.9%
づつ4.5%
えん2.5%
まる2.1%
1.9%
あた1.5%
さな1.3%
あだか0.8%
あてが0.4%
さながら0.2%
0.2%
あだ0.2%
0.2%
がて0.2%
さも0.2%
ちやう0.2%
つつ0.2%
ゑん0.2%
アテ0.2%
オンス0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この小説は、「健康道場」と称するる療養所で病いと闘っている二十歳の男の子から、その親友にてた手紙の形式になっている。
パンドラの匣 (新字新仮名) / 太宰治(著)
そうして「どなたか存じませぬがお宅においでになる尺八のお好きな方に、お礼のため、毎日尺八を一曲ずつ吹いてお聴かせ申したい」
黒白ストーリー (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
毎日警視総監あてに何十通となく来るので、私の投書も、ろくろく眼も通されずに屑籠くずかごの中へほうりこまれたのではないかとも思われる。
誰が何故彼を殺したか (新字新仮名) / 平林初之輔(著)
同乗するとうことが、信一郎には、さながら美しい夢のような、二十世紀の伝奇譚ロマンスの主人公になったような、不思議なよろこびを与えてれた。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
そのつもりで余は、この文章を時々少しづゝ斯うして書いてゐるのだが、何処に如何、月日の区切りを付けることも出来ないのだ。
西瓜喰ふ人 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
これを言出いひいでたるのち、いのちをはり、又これを言出でたるあとは、かしらを胸にれて、あたかも老僧が聖祭せいさいを行ひつゝ絶命する如くならむ。
頌歌 (旧字旧仮名) / ポール・クローデル(著)
古い小袖を元のやうに古い葛籠つづらにしまひ終つた家人は片隅から一冊づつ古い書物を倉のなかへと運んでゐる。自分は又来年の虫干を待たう。
虫干 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
こう人材もふえ、ここもえんたる一小国となってきては、対官憲の備えからも、もはやただの浮浪山賊の群れ集まりではいられない。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
したるとおどろほどくびながくなつてて、まるでそれは、はる眼下がんかよこたはれる深緑しんりよくうみからくきのやうにえました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
月光げつくわうそのなめらかなる葉のおもに落ちて、葉はながら碧玉へきぎよくあふぎれるが、其上そのうへにまた黒き斑点はんてんありてちら/\おどれり。李樹すもゝの影のうつれるなり。
良夜 (新字旧仮名) / 徳冨蘆花(著)
絶え間なく動く縮緬皺ちりめんじわとなつて見え、そこに素晴しい高さの岩がによつきりとあたかも河を受とめた工合に立つてゐた。
医師高間房一氏 (新字旧仮名) / 田畑修一郎(著)
と、う考えたので、彼は故意ことさらに小さくなって、さながら死せるようにしずまっていた。対手あいて温順おとなしいので、忠一も少しく油断した。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
あだかも人のうなるような……いやうなるのだ。誰か同じくあしを負って、もしくは腹に弾丸たまって、置去おきざり憂目うきめを見ている奴が其処らにるのではあるまいか。
子供まで孕ましておきながら、ろくに食うものもあてがわねえで、自殺してからおれらを引き取って何になるんだ。おれらを引き取ったのだって、育てておいてき使ってやるつもりだったのだろう
恐怖城 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
釣枝、立木たちき、岩組、波布なみぬの、浪板の如きはなはだしく不自然なる大道具おおどうぐさながら浮世絵における奥村政信おくむらまさのぶ鈴木春信すずきはるのぶらの美人画の背景にひとし。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
諸寺諸山、非職員ノ住侶ヂユウリヨ、又、タトヘ凡下放埒ボンゲハウラツ与党賊徒ヨタウゾクトノ輩タリトモ、忠節ノジツヲイタスラバ、賞トシテ、近江国麻生アサフノ庄ヲテ賜ハルベキナリ
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
セント・ジョンは、この言葉をあだかも説教をするやうな調子で云つた——落着いた、力強い聲で、顏色を動かさず、眼に閃くやうな輝きを見せて。彼は續けた——
お増は髪結が後から、背負しょげをっている、お今の姿を見あげながら呟いた。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「像も台座も三十五尺がてあるけん、日本一ちゅうてもよかとだすばい」
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
光陰くわういんは矢よりも早く流るゝ水にさもたり正徳元年辛卯年かのとうどしれり玉之助も今年七歳になり嘉傳次が病死の後は感應院方へ引取ひきとられ弟子となり名を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
と、ちやう他人ひとに立聴きでもされるのを気遣ふやうに、干からびた口を爺さんの耳へ持つて往つた。
自身も恐らくは無理と知りつつ無理をならべて一人で立腹して、また一人で立腹したとてまた一人で立腹して、罪もとがも無い文三に手をかして謝罪わびさしたので有ろう。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
とき帷中ゐちうをんなれば、ゑんとしておでこの醜態しうたい明白めいはく成畢なりをはんぬ。
鑑定 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
アテ、左倉班長。本文。高度二万七千、一号艇廻転楕円体ノ白雲内ニ消ユ、ワレ、ソノ雲ニ突進セントス、オワリ」
宇宙戦隊 (新字新仮名) / 海野十三(著)
生産された百オンスの帽子、上衣、及び百クヲタアの穀物のうち