“完”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
まっと37.3%
まった30.1%
まつた12.4%
おわ4.6%
まつ3.3%
をは2.0%
1.3%
まっ1.3%
まっとう1.3%
マッタ1.3%
0.7%
かん0.7%
くわん0.7%
ととの0.7%
まつと0.7%
まと0.7%
ツヒ0.7%
マット0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
余はこの時立ちながら心のうちで、要するに千山行を撤回した方が、馬術家としての余の名誉をまっとうする所以ゆえんではなかろうかと考えた。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
用いたくない美しさ、かかる美を正しい美と呼ぶことはできぬ。美を欠く器は、まったき用器ではなく、用を欠く器は全き美器ではない。
工芸の道 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
汝等は羽ある蟲のまつたからず、這ふ蟲の未だ成り終らざるものに似たるに、汝等の精神たましひ何すれぞ高く浮び出づるや 一二七—一二九
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
ここまで話すと、電車が品川へ来た。自分は新橋で下りるからだである。それを知っている友だちは、語りおわらない事をおそれるように、時々眼を
片恋 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
まつたく古山と合議の結果だ。或は古山の方が當の發頭人であるかも知れない。イヤ然うあるべきだ、この校長一人丈けでは、如何どうして這麽こんな元氣の出る筈が無いのだもの。
雲は天才である (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
さう云ふことばがまだをはらない中に、蛇の頭がぶつけるやうにのびたかと思ふと、この雄辯なる蛙は、見るにその口にくはへられた。
(新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
その制約は男役が男になりきることをも制約し、つまりったき男女関係は封ぜられておるから、男役は妙な中性に止まらざるを得ぬような不自然なところがあったようだ。
この後もなおいかなる艱難かんなんが起ってもあくまで進んでその艱難かんなんを切り抜けて、いささか仏法のためにする志望をまっとうしたいものであるという考えを起しました。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
日本軍の中には赤十字の義務をまっとうして、敵より感謝状を送られたる国賊あり。しかれどもまた敵愾心のために清国てきこくの病婦をとらえて、犯し辱めたる愛国の軍夫あり。委細はあとより。
海城発電 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
リョウヤ不才、計ヲ問イ、ハカリゴトヲ求ム、皆君ガ神算ニヅ。呉ヲタスケ、曹ヲ討チ、劉ヲ安ンジ、首尾掎角、為ニマッタシ、嗚呼公瑾今ヤ永ク別ル。何ヲオモンバカリ何ヲカ望マン。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
此によりてたゝへコトへまつらば、皇御孫スメミマの尊の朝廷ミカドに御心暴(いちはや)び給はじとして……天つのりとの太のりと言をもちて、たゝへ言へまつらくと申す。
国文学の発生(第二稿) (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
𤞵字音豹と『康煕字典』にあるのみ、説明がない。しかしかんかんと同音故、獾の字を𤞵と書いたと見える。郭璞かくはくの『爾雅』註に猯と獾を一物とす。
余等よらもつと興味きやうみゆうして傾聽けいちやうしたのは、權現臺貝塚ごんげんだいかひづか歴史れきしであつて、最初さいしよ野中のなかくわん發見はつけんしたのを、ふかしてたので、其頃そのころ發掘はつくつをせずとも、表面ひやうめんをチヨイ/\掻廻かきまはしてれば、土偶どぐう
友三郎さんが何食わぬ顔で西川家の店先へ現れた時は手筈が万端ととのっていたのだった。その次の日曜に伯父さんは
脱線息子 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
命をはつて、ただ現在の生存をまつとうしてゐたといふだけのことなのである。
家康 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
この玄関払の使命をまとうしたのがペンである。自分は嘘をつくのは嫌だ。神さまに済まない。然し主命しゅうめいもだし難しで不得已やむをえず嘘をついた。
漱石氏と私 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
茨田(まむだ)の堤(又は媛島)に、雁がを産んだ事件があつて、建内宿禰が謡うた(記・紀)と言ふ「汝がみ子や、ツヒらむと、雁は子産コムらし」を、本岐(ほぎ)歌の片哥として居る。
国文学の発生(第二稿) (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
復仇フッキュウノ事、必ズ、時ノ奉行ニ至リテ、理非、黒白ヲ明カニシ、ソノ命ヲ受ク。コレ古来ノ法ナリ。世説セイセツニ、奉行ヘ告グルハ、身ヲマットウセントスル心アルヤニ似タリ。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)