“子煩悩”のいろいろな読み方と例文
旧字:子煩惱
読み方割合
こぼんのう90.5%
こぼんなう9.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
誠に可愛いもので、私は一体子煩悩こぼんのうで自分が子を可愛がると言うよりは子供から愛せられるというような点も余程あるようです。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
子無しゆえに、一そう子煩悩こぼんのうらしい内儀が、手をさしのべて抱き取ると、赤子は、夢を破られて、むずかって、おぎゃおぎゃ泣き出すのだった。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
先刻申し上げました通り、娘も至つて気のやさしい、親思ひの女でございましたが、あの男の子煩悩こぼんなうは、決してそれにも劣りますまい。
地獄変 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
が、その当の娘も、あの息子の神経質とあの両親の子煩悩こぼんなうでは?——こんな風だから娘から少し消息が途絶えると、わたしは本能的にイラ/\して来る。酒もうまくない。これは誇張ではない。
愚かな父 (新字旧仮名) / 犬養健(著)