“嫌悪”のいろいろな読み方と例文
旧字:嫌惡
読み方割合
けんお94.4%
けんを5.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
だが、手をのばした自分の姿の弱さや醜さに嫌悪けんおを覚え、ひもじさをこらえて、じっと立ちすくんだ時のみじめさは、どうであろう。
次郎物語:02 第二部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
彼は嫌悪けんおの身震いをした。殺害の光景が浮かんできた。人を殺したことを思い出した。なにゆえに殺したのかはもうわからなかった。
一家の平穏のためにはどんな些細ささいな邪魔でも嫌悪けんをしたい本能から気の引きしまるのを感じながら、彼女は玄関の厚い硝子戸ガラスどをゆつくり開けた。
朧夜 (新字旧仮名) / 犬養健(著)
代助は今の平岡に対して、隔離の感よりも寧ろ嫌悪けんをの念を催ふした。さうして向ふにも自己同様の念がきざしてゐると判じた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)