“婦”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おんな54.3%
をんな21.0%
よめ5.6%
4.3%
つま3.7%
ひと2.5%
1.9%
をみな1.9%
1.2%
たぼ0.6%
をなご0.6%
あま0.6%
おなご0.6%
ツマ0.6%
0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
不気味にすごい、魔の小路だというのに、おんなが一人で、湯帰りの捷径ちかみちあやしんでは不可いけない。……実はこの小母さんだから通ったのである。
絵本の春 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
はて、なんだ、とおもひながら、こゑけようとして、ひとしはぶきをすると、これはじめて心着こゝろづいたらしく、あらをんなかほげた。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
男系より見れば敬は茶山の弟汝楩の子万年に嫁したよめである。女系より見れば敬は茶山の妹ちよの井上正信に嫁して生んだ女である。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
五百の来り嫁した時、抽斎の家族は主人夫婦、長男恒善つねよし、長女いと、次男優善やすよしの五人であったが、間もなく純はでて馬場氏のとなった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
我はこれを愛すること許嫁いひなづけつまを愛するが如くならず。されどその人の婦とならんをば、われまた冷に傍より看ること能はざりしならん。
が、心着いたら、心弱いひとは、堪えず倒れたであろう、あたかもそのうなじの上に、例の白黒まだらいぬうずくまっているのである。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
諭吉ゆきちは一をしゅちょうし、もちろん、自分じぶんでもそれを実行じっこうしました。
その群の一家族高き棚の上に立ちて客を招けり。をみなは叫び、夫は喇叭らつぱ吹き、子は背後より長き鞭をふるひて爺孃やぢやうを亂打し、その脚下には小き馬の後脚にて立ちて、前に開ける簿册を讀む眞似したるあり。
生活の向上に憧憬あこがれる事を知らぬ桃源場裏の村落へ行ってみると、一・二室しかない粗末なる家に荒蓆を敷いて一家族が団欒し、所謂父はててらにはふたのした気軽な暮らしに
「よう。」とつて、茫然ばうぜんとしてつた。が、ちよこ/\と衣紋繕えもんづくろひをして、くるまけはじめる。とたぼ心着こゝろづいたか一寸々々ちよい/\此方こなた振返ふりかへる。
麦搗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
うでありませう。お前樣まへさまこれからひにおいでなさらうとふ、をなごかたは、裾模樣すそもやうに、にしきおび緋縮緬ひぢりめん蹴出けだしでも。
三人の盲の話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
畜生ちくしやうあま畜生ちくしやう——
艶書 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「ふん、で、そのおのれがおなごは、蜘蛛の巣をかぶって草原に寝ておるじゃな。」
茸の舞姫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
二人でその同性が、一人の異性を獲ようとして争ふと言つたことの外に、ツマツマとが争闘することも、「つまあらそひ」と言ふ語に這入る。だがさう言ふ繁雑ヤヽコしい用語は避けた方がよい。
日本文学の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
十四、君ノトナッテ
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)