“婀娜”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あだ87.9%
あで3.0%
なまめ3.0%
あだっ2.0%
あだつ1.0%
あでやか1.0%
たおや1.0%
なよなよ1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
姿すがた婀娜あだでもおめかけではないから、團扇うちは小間使こまづかひ指圖さしづするやうな行儀ぎやうぎでない。「すこかぜぎること」と、自分じぶんでらふそくにれる。
深川浅景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
姿は見えなくなっても私の眼の前から、今の二人の姿だけは消えせないのです。なんという、人魚のような婀娜あでやかさだろうと思いました。
墓が呼んでいる (新字新仮名) / 橘外男(著)
婀娜なまめかしい襦袢の袖が縺れて、男の肩に纏綿まとはる。背後から靠掛もたれかかる樣に抱きついて密接ぴつたり顏を押し附けると、切なげに身を悶えて
二十三夜 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
水面には婀娜あだっぽい十六、七の娘と町人らしい二十四、五のチョンまげに結った色男が、ヒョッコリと亀のように二つの首を並べて出している。
空中征服 (新字新仮名) / 賀川豊彦(著)
何にも見て置く必要があるとまた大弓の前へ来ると、綺麗な凄い程婀娜あだつぽい女が出て来て栄一を引張る。
そして優しくほころびた口許、婀娜あでやかというか、濃艶滴らんばかりというか! 印度を知ること何ぞ遅かりし! もう誰が何と言っても、印度は私の友達だ。
ナリン殿下への回想 (新字新仮名) / 橘外男(著)
大納言は、常のとおり、布衣ほいかんむり婀娜たおやかに着なして、鮮やかなくるまに乗った。雑色ぞうしき、牛飼、侍十人以上をつれて、すぐに、西八条へと行った。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
問いつつ熟々つくづく其の姿を見ると、顔は声よりも猶麗しい、姿も婀娜なよなよとして貴婦人の様子が有る、若し厳重に批評すれば其の美しさは舞楽に用ゆる天女の仮面と云う様な塩梅あんばい
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)