“女神”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
めがみ58.5%
じょしん7.5%
ぢよしん5.7%
おんながみ5.7%
によしん5.7%
にょしん3.8%
かみ1.9%
ぢよじん1.9%
によじん1.9%
をんながみ1.9%
ニンフ1.9%
メガミ1.9%
ヴィナス1.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
納戸色なんどいろ、模様は薄きで、裸体の女神めがみの像と、像の周囲に一面に染め抜いた唐草からくさである。石壁いしかべの横には、大きな寝台ねだいよこたわる。
倫敦塔 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
とすらりと立った丈高う、半面をさっと彩る、かば色の窓掛に、色彩羅馬ロオマ女神じょしんのごとく、愛神キュピットの手を片手でいて、主税の肩と擦違い
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
宿の近くにババリヤ公園があつて、其処そこにバイエルン国の精神を表示した女神ぢよしん像が立つて居るが、いたづらに巨大なばかりで少しも崇高な感のおこらない物である。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
いま赫耀かくやくとした鳥の翼を見ますると、らるゝやうに其の緋の袴が目に見えたのでこさります。——と此から話したの——其の時のは、船の女神おんながみさまのお姿だつたんです。
印度更紗 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
太古の文芸がこの水のたゞよふ岸辺から発生した歴史から、美しい女神によしんベヌスが紫の波よりうまいでたと伝ふ其れ等の神話までが、如何にも自然で、決して無理でないと首肯うなづかれる。
黄昏の地中海 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
幾頭の獅子ししける車の上に、いきおいよく突立ちたる、女神にょしんバワリアの像は、先王ルウドヰヒ第一世がこの凱旋門がいせんもんゑさせしなりといふ。
うたかたの記 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
あゝ、女神かみさま! 私の悲しみと熱狂とを憐んで下さいまし。
そがもとにきずつける女神ぢよじんの瞳。
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
ぞなしにける抑々そも/\此廣島は大坂より海上かいじやう百里餘にて當所たうしよ嚴島いつくしま大明神だいみやうじんと申は推古天皇すゐこてんわうの五年に出現しゆつげんましませし神なり社領しやりやう千石あり毎月六日十六日祭禮さいれいなり其外三女神によじんの傳あり七濱なゝはま七夷等なゝえびすとう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
いま赫耀かくやくとしたとりつばさますると、らるゝやうにはかまえたのでござります。——とこれからはなしたの——ときのは、ふね女神をんながみさまのお姿すがただつたんです。
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ある女は小波さざなみの立つ泉のほとりに憩い……さながら林泉に喜戯する森の女神ニンフの群れと題する古名画の一幅の前に佇むがごとき思いであった。
ウニデス潮流の彼方 (新字新仮名) / 橘外男(著)
御気分は何時も/\此倭文織シヅオりのしつかりしてゐる様に確かであり、水に縁ある譬へで申さば、向うに見える古川岸、此方に見える古川岸、古川の川岸に育つた若水沼ワカミヌマ女神メガミの如く
日本文学の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
アポロのようにたくましい肉体を持って雄々しい容貌であってくれるように、……女ならば女神ヴィナスのように豊麗で美しく……と、ただ肉体の上の美しさと逞しさのみを希求いたしていたのであります。
ウニデス潮流の彼方 (新字新仮名) / 橘外男(著)