“女児”のいろいろな読み方と例文
旧字:女兒
読み方割合
こども20.0%
をんなのこ15.0%
むすめ10.0%
おなご10.0%
おんなのこ10.0%
じょじ5.0%
あまッこ5.0%
おんなご5.0%
ぢよじ5.0%
めのこ5.0%
やつ5.0%
フィユ5.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
上框あがりがまちには妻の敏子が、垢着いた木綿物の上に女児こどもおぶつて、顔にかゝるほつれ毛を気にしながら、ランプの火屋ほやみがいてゐた。
足跡 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
其嫁は隣村の神官の家から来たが、結婚して二年とも経たぬに、唖の女児をんなのこを遺して、盲腸炎で死んだ。
刑余の叔父 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
主人と妻と女児むすめと、田のくろ鬼芝おにしばに腰を下ろして、持参じさん林檎りんごかじった。背後うしろには生温なまぬる田川たがわの水がちょろ/\流れて居る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
それが女児おなご人形や稚児ちご人形であった時には、それの持つ、この世のほかの夢の様な魅力に、びっくりなすったことはないでしょうか。
人でなしの恋 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
が、遂に二人は結婚しました。冬子はともかくも、譲治は幸福でした。翌年には可愛女児おんなのこも生れた、親友はまるで家族の一人であるように入り浸っていたものです。
深夜の客 (新字新仮名) / 大倉燁子(著)
著者が校正を見る間に、彼は四歳の女児じょじの遊び相手になったり、根が農家の出身だけに、時には鍬取くわとりもしてくれた。ルビ振りを手伝えと云うたら、頭をいて尻ごみした。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
はあと溜息ためいきをついて女児あまッこの膝にすがるようじゃあ、大概たいげえの奴あそこで小首をかしげまさ。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
何か、女児おんなごも十二三でなければ手に掛けないという、その清浄しょうじょうな梅漬を、汚穢くてならぬ、嘔吐すと云う。
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
一斎はこれに反して露姫の夙慧しゆくけいを「有物憑焉」となした。わたくしはペダンチツクに一斎の迷信を責めようとはしない。しかし心にその可憐の女児ぢよじを木石視したるをうらみとする。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
おほどかに日のてりかげるげんげん田花をつむにもあらず女児めのこ
歌集『涌井』を読む (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
国に居た頃でも、私が外から帰って来る、母やかないは無愛想でしても、女児やつ阿爺とうさん、阿爺と歓迎して、帽子ぼうしをしまったり、れはよくするのです。私もまったく女児を亡くしてがっかりしてしまいました。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
ゆるい坂の片側にある小学校の日曜日で人気ない広い入口の、一方には「女児フィユ」もう一方には「男児フィス」と書かれているのも、伸子におもしろかった。
道標 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)