“奇”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
42.9%
23.3%
あや11.6%
くす8.5%
くし3.7%
めづら2.6%
あやし2.1%
1.6%
めず1.1%
うま0.5%
おつ0.5%
きく0.5%
くすしく0.5%
して0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
然るに恋愛なる一物のみは能く彼の厭世家の呻吟しんぎんする胸奥に忍び入る秘訣を有し、しくも彼をして多少の希望を起さしむる者なり。
厭世詩家と女性 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
世に越後の七不思議なゝふしぎしようする其一ツ蒲原郡かんばらこほり妙法寺村の農家のうか炉中ろちゆうすみ石臼いしうすあなよりいづる火、人みな也として口碑かうひにつたへ諸書しよしよ散見さんけんす。
おこの沙汰ではあるが、私はあやしきまでに女の美しい姿に引つけられた。私はどうしても彼女を尋ね出そうと堅く決心した。
日蔭の街 (新字新仮名) / 松本泰(著)
ねがはくは正しき審判さばき星より汝の血の上に降り、くすしく且つ顯著あらはにて、汝の後をくる者恐れをいだくにいたらんことを 一〇〇—一〇二
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
この精神を尋ぬる時は、吾人くしくも其発源を革命の主因たりし精神の発動に帰せざるべからざる数多の理由を見出すなり。
未だ新しき物を見しことなきもの、この見るをうべき詞を造りたまへるなり、こは世にあらざるがゆゑに我等にめづらし 九四—九六
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
流れる水と、自分の恋と、電燈の輝きで美しい夜の大阪とを考えの中で比較してみると自分が、自分にあやしまれてくるほどおかしなものであった。
空中征服 (新字新仮名) / 賀川豊彦(著)
こうした長い浴湯ゆあみからあがって、からだを拭えば、——やしや総身の皮膚が、キラキラと銀光を放つではないか。
ある偃松の独白 (新字新仮名) / 中村清太郎(著)
オルガンを引くと壁の中から押込の隅からめずらしい響が聞こえて来た。『その笛一本貰へば、大学に一年研究が出来るになア』
(いいえ、おもしろうござんすよ。こんなうまなりをして。)
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それから、十七八から二十はたちそこそこのところは、少し解つて来て、生意気に成りますから、顔の好いのや、扮装なりおつなのなんぞにはあんまり迷ひません。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
過去と未来がきくしく交響する、哈爾賓ハルビンはいつもたそがれの街だ。
踊る地平線:01 踊る地平線 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
人の生まるる始めのこと、死にてのちの理などを推慮おしはかりにいうは、いとやくなきわざなれば、ただに古伝説を守りて、人の生まるることは、天津神あまつかみくすしくたえなる産霊むすび御霊みたまによりて
通俗講義 霊魂不滅論 (新字新仮名) / 井上円了(著)
常そよぎ、してふる神
新頌 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)