“天鵝絨”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
びろうど69.7%
ビロード18.2%
びらうど6.1%
びろおど3.0%
とうてん3.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
御存じの通り、よっかかりが高いのですから、その銀杏返いちょうがえしは、髪も低い……一寸ちょっと雛箱へ、空色天鵝絨びろうどの蓋をした形に、此方こっちから見えなくなる。
甲乙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
弧の内面には美しい笹を青天鵝絨ビロードのようにくけて、其上に銀を象嵌した金字形の八海山と中ノ岳とが程よく安置された据物のようだ。
利根川水源地の山々 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
シイトの薄萠黄うすもえぎの——もつとふるぼけてはたが——天鵝絨びらうどしきりを、コチンとまどげると、紳士しんし作法さはふにありなしは別問題べつもんだいだが、いゝ頃合ころあひまくらる。
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
洞のうちには、天井にも四方の壁にも、すべて絹、天鵝絨びろおどなんどにて張りたらむやうに、緑こまやかなる苔生ひたり。
「そんな串戯じょうだんをするから返事をしないんだよ。まあお入んなさい、御苦労様でした。」と落着いて格子戸をくぐったが、土間をすかすと天鵝絨とうてんの緒の、小町下駄を揃えて脱いであるのにきっと目を着け
葛飾砂子 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)