“大海”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おほうみ29.9%
だいかい23.9%
おおうみ13.4%
たいかい11.9%
わだつみ6.0%
わたつみ3.0%
おおあま1.5%
あら1.5%
うみ1.5%
おおうな1.5%
おおわだ1.5%
おはうみ1.5%
だいはい1.5%
オホウミ1.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
大海おほうみのかなたに歸らば、わがジョヴァンナに告げて、罪なき者の祈り聽かるゝところにわがために聲をあげしめよ 七〇—七二
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
むかしに返し得べき未練の吾に在りとや想へる、愚なる精衛のきたりて大海だいかいうづめんとするやと、かへりてかたくなに自ら守らんとも為なり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
国家を一人で背負しょって立つような意気込みを見ると——兵馬はどうも、知らず知らず自分が大海おおうみへ泳ぎ出したような心持もするのです。
棒同然な物で大海たいかい乗切のっきるのでありますから、虫のうより遅く、そうかと思うと風の為に追返されますので、なか/\捗取はかどりませぬ。
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
いつか濁赤にぶあかい夕雲も薄れ、月のない宵がこの大海わだつみの中の小陸地をひっそりと区ぎッている。丘上の黒木の御所には、いつもどおりな小さい灯がポチとあった。
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
待てしばし、るにても立波たつなみあら大海わたつみの下にも、人知らぬ眞珠またまの光あり、よそには見えぬ木影こかげにも、なさけの露の宿するためし
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
天智は、不倫にも、その弟の大海おおあま人皇子の妻を奪った。そのために、ふたりは互に反目しあうことになったのである。これは、背信不徳の、はなはだしきものであった。
下界は隈なくしろがねの光にあふれ、妙なる空気は爽やかにも息苦しく、甘い気懈けだるさを孕んで、薫香の大海うみをゆすぶつてゐる。
神苑の太古の森も、五十鈴川の白い帯水も、神路山、朝熊あさま、前山の諸峰も、鳥羽の漁村も伊勢の大海おおうなばらも、すべてが自分の下にあった。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「オホワダ」をば大海おおわだ即ち近江の湖水全体と解し、湖の水が勢多せたから宇治に流れているのを、それが停滞して流れなくなるとも、というのが
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
ゆゆしかる身のはてとしも思はねど大海おはうみに寝て泣くとなりぬ
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
それだけを食べてしまうと四大海だいはいといって汁物つゆものが出ます。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
大海オホウミの中にぽつんと産み棄てられた様な様子が「天一柱アメノヒトツバシラ」と言ふ島の古名に、如何にもふさはしいといふ聯想と、幽かな感傷とを導いた。
雪の島:熊本利平氏に寄す (新字旧仮名) / 折口信夫(著)