“大人”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おとな76.4%
たいじん10.8%
うし6.7%
おとなし1.2%
だいじん0.7%
をとな0.7%
おおひと0.2%
オホビト0.2%
おおびと0.2%
おと0.2%
おとっさん0.2%
だいにん0.2%
ひじり0.2%
ませ0.2%
オトナ0.2%
サヒーブ0.2%
タアシン0.2%
タイジン0.2%
ミコト0.2%
モンセニュウル0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「ほんとうにかみながくおなりだこと。せめてもう二、三ねん長生ながいきをして、あなたのすっかり大人おとなになったところをたかった。」
鉢かつぎ (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
大人たいじん手足しゅそくとなって才子が活動し、才子の股肱ここうとなって昧者まいしゃが活動し、昧者の心腹しんぷくとなって牛馬が活動し得るのはこれがためである。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
けれども是は批評をするのだと、馬琴大人うしに甚だ以て相済ぬ、唯ね、どうもネ。彼の人は意地の悪いネヂケた爺さんのやうだからさ。
いろ扱ひ (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
全くね、間はああ云ふ不断の大人おとなしい人だから、つまらない喧嘩けんかなぞを為る気遣きづかひはなし、何でもそれに違は無いのさ。それだから猶更なほさら気の毒で、何ともひやうが無い
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
マグロアールは彼を好んで大人だいじん様と呼んだ。ある日彼は椅子から立ち上がって、一冊の書物をさがしに図書室に行った。その書物は上方の書棚しょだなにあった。
娘の子のジユツプも円く踊子の様にひらいたので無くて、大人をとなの女の服装と同じく日本の衣物きものの様に細く狭く直立したのが流行はやつて居る。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
天狗をグヒンというに至った原因もまだ不明だが、地方によってはこれを山の神といい、または大人おおひと・山人ともいって、山男と同一視するところもある。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
此部下は、人形ニンギヤウの形をとつた。巨人オホヒトの像で示されたのである。譬へば、日向岩川八幡の大人オホビト弥五郎の様なものが出来た。さうして、此が八幡神の行列には必、伴神として加はつた。
おびとはすなわち大人おおびとで、その首長であることを示し、造はすなわち御奴みやつこで、これを統率して天皇に仕え奉る臣隷であることを示している。そしてその部下のものは、実に間人階級にいたものであった。
間人考 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
弁償いたしますと大人おとなしく出て、すご/\と大阪へ戻って来ると丁度その日は婚礼料理の註文があって目出度い/\と立ち騒いでいる家へ料理を運び
放浪 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
君の家は江戸ではないか、大人おとっさんは開業医と開いたが、君の家に食客しょっかくに置てれる事は出来まいか。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
大人だいにん国の風車かざぐるまの様に、グルグル廻り、浅草の十二階めいた摩天閣からは、場内の四方に万国旗が張りめぐらされ、その窓々には、真赤な旗が、首を出して、ユラリユラリと、火焔かえんの様に燃えていた。
地獄風景 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
夫れ大人ひじりのりを立つる、ことわり必ず時に随ふ。いやしくも民にくぼさ有らば、何ぞ聖造ひじりのわざたがはむ。まさ山林やま披払ひらきはら宮室おほみや経営をさめつくりて、つゝしみて宝位たかみくらゐに臨み、以て元元おほみたからを鎮むべし。
二千六百年史抄 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
一緒にその大人ませた陋しい、眼の大きく額の白い子供の顔がさも恨めしさうにほろほろ泣いてゐる。
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
・分けた髪もだまりがちな大人オトナとなつてくれたか
其中日記:07 (七) (新字旧仮名) / 種田山頭火(著)
それは、ジェソップ氏に対しても決して大人サヒーブとは云わないこと、印度人が、自らを卑くして駱駝らくだのように膝を折る、あれがチャンドの雰囲気にはないのだ。
一週一夜物語 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
大人タアシン! 大人!」
防備隊 (新字新仮名) / 黒島伝治(著)
長い見物の経験の悪癖は、この二人の歌舞妓の大人タイジンを、大人タイジンとは思ひながら小柄に見えて為方のなかつたものである。さうした成長を貪り望む目にふと映じた姿である。吉右衛門の為に祝ひたい。
手習鑑評判記 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
布留フル大人ミコトは、嫋女タワヤメ眩惑マドヒによりて、馬じもの縄とりつけ、シヽじもの弓矢カクみて、大君の御令畏ミコトカシコみ、天離アマサカ鄙辺ヒナベマカる。
国文学の発生(第二稿) (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
大人モンセニュウル、今年の御趣向はもはや御決定になりましたか。ひとつ御披露願いたいもので。〽ナニ、天機もらすべからずサ。実物を見たまえ実物を見たまえ。