“塞”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ふさ80.2%
ふさが6.7%
つま3.7%
2.0%
つか1.1%
ふた0.9%
とざ0.9%
0.6%
さい0.5%
せき0.4%
0.4%
0.2%
とりで0.2%
はだか0.2%
ふさぎ0.2%
0.1%
さえ0.1%
ささ0.1%
さは0.1%
さへ0.1%
さや0.1%
そこ0.1%
0.1%
づま0.1%
0.1%
ふたが0.1%
ぶさ0.1%
ぷて0.1%
0.1%
フサ0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
千兩箱は大晦日おほみそかの晩から積んであつて、松のうちはその儘にして置くさうです。床の前はふさがつて居るから誰も氣が付きやしません。
うど——ん、という声を続けるところで急に咽喉のどふさがってしまったらしいから、せっかくの余韻よいん圧殺おしころされたような具合であります。
『ハ、いゝえ。』とのどつまつた樣に言つて、山内は其ずるさうな眼を一層狡さうに光らして、短かい髭を捻つてゐる信吾の顏をちらと見た。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
西東にしひがし長短のたもとを分かって、離愁りしゅうとざ暮雲ぼうん相思そうしかんかれては、う事のうとくなりまさるこの年月としつきを、変らぬとのみは思いも寄らぬ。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
何しろ僕はこれを見ると同時に一種の寒気さむけを覚えてこわいともかなしいとも言いようのない思が胸につかえてちょうど、鉛のかたまりが胸をしつけるように感じました。
牛肉と馬鈴薯 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「我が身は成り成りて、成り餘れるところ一處あり。かれこの吾が身の成り餘れる處を、汝が身の成り合はぬ處に刺しふたぎて、國土くに生み成さむと思ほすはいかに」
彼は町から以来と云うものは、全く不安にとざされたままで、ただじっと朝刊に、不安な目を向けているだけであった。
吾子ワコよ。吾子の爲了シヲフせなんだアラび心で、吾子よりももつと、わるい猛び心を持つた者の、大和に來向ふのを、待ち押へ、へ防いで居ろ、と仰せられた。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
後又、北はさいを出でゝ元の遺族を破り、南は雲南うんなんを征して蛮を平らげ、あるい陝西せんせいに、或はしょくに、旗幟きしの向う所、つねに功を成す。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「あはにな降りそ」は、諸説あるが、多く降ることなかれというのに従っておく。「せきなさまくに」はせきをなさんに、せきとなるだろうからという意で、これも諸説がある。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
「そうです、そうです。けれどもれが僕のし得るかぎりの秘密なんです。」と言ってしばらく言葉を途切とぎらし、気をめて居たが
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
ここにその神の髮をりて、その室のたりきごとに結ひ著けて、五百引いほびきいは一二を、その室の戸に取りへて、そのみめ須世理毘賣を負ひて
「温めて永い間生かしてやる。とりでのぼろくずをみんな持って来い、温めてふとらせてやる。貝ノ馬介が死んで生れて来たのだ。」
源助はニタリ/\相好を崩して笑ひ乍ら、入口に立ちはだかつたが
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
人或ひは鬼の力によりて地にひかれ、或ひはふさぎにさへられて倒れ、やがて身を起せども、おのがたふれし次第をしらねば 一一二—
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
年ゆたかなれども七六あしたくれに一わんかゆにはらをみたしめ、さる人はもとより朋友ともがきとむらふ事もなく、かへりて兄弟はらから一属やからにも七七みちられ、まじはりを絶たれて、其のうらみをうつたふる方さへなく
九八 路の傍に山の神、田の神、さえの神の名を彫りたる石を立つるは常のことなり。また早池峯山・六角牛山の名を刻したる石は、遠野郷にもあれど、それよりも浜にことに多し。
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
落草ぬすびとども道をささへて、行李にもつも残りなくうばはれしがうへに、人のかたるを聞けば、是より東の方は所々に新関しんせきゑて、旅客たびびと往来いききをだにゆるさざるよし。
かれその伊耶那美の命になづけて黄泉津よもつ大神といふ。またその追ひきしをもちて、道敷ちしきの大神二一ともいへり。またその黄泉よみの坂にさはれる石は、道反ちかへしの大神ともいひ、へます黄泉戸よみどの大神ともいふ。
九八 路の傍に山の神、田の神、さへの神の名を彫りたる石を立つるは常のことなり。また早池峰山六角牛山の名を刻したる石は、遠野郷にもあれど、それよりも浜にことに多し。
遠野物語 (新字旧仮名) / 柳田国男(著)
泉津よもつ平坂にさやります千引石を道返ちかえしの大神といい、磐長姫が皇孫の召し給わぬを恥じ恨みて、うつしき蒼生たみくさは木の華の如くに衰えんとのろわれた事から察せられ、又磐が神のいます神聖なる場所で
山の今昔 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
肖古せうこ」「速古そこ」といふのは「そこ」で、滿洲語のヂヤハ、日本で「關」といふものと同じ意味で同じ言葉であります。
近畿地方に於ける神社 (旧字旧仮名) / 内藤湖南(著)
彼女一流の雰囲気ふんいきの含まれた言葉で、恋愛も恋愛だが、生活や母性愛の悩みもあって、今までの生活は行きまりが来たので、打開の道を求めようとしたのが、何といっても文学が生命なのだし
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
近代のあわただしい騒音やづまった苦悶を描いた文芸の鑑賞に馴れた眼で見るとまるで夢をみるような心地がするが、さすがにアレだけの人気を買った話上手な熟練と
八犬伝談余 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
三「死んだのじゃアねえ今じて来たのだが、アヽこれっ切りに成るかしら、あゝもうとても助かるまい」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
唐楪葉からゆづりはは高く立ちて、折しく一羽の小鳥来鳴きなけり。宮が胸はあやしうつとふたがりぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「へッ、その大玄関は張物板でぶさがっていますよ——木戸から庭を覗いて下さい、親分が煙草の煙で曲芸をしているはずだから——と、奥方様がおっしゃる」
「そんぢや、わらかやでおツぷてえたんでもあんびや」
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
即ちウナ阪をきて返り入りましき。
比較神話学 (新字新仮名) / 高木敏雄(著)
アマツサヘ、四面海ノ三方ヲフサガレ、国中ノ兵糧ハ知レタモノナリ。コノ一事ヲ以テモ、上方勢ト取合フコトノ無益ハ、匹夫モサトルベシ。トヲニ一ツモ相対スベキ勝味ハ無キナリ
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)