“堕”のいろいろな読み方と例文
旧字:
読み方割合
65.3%
おと19.7%
8.1%
おち2.7%
おろ1.2%
0.8%
オチイ0.8%
オツ0.8%
おちい0.4%
0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
お千代は夜ごとに深みへとちて行った。その代り質屋の利息のみならず滞った間代まだいもその月の分だけは奇麗に払えるようになった。
ひかげの花 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
遅いにも程があるが、猛火のさかんな真夜半まよなか頃となって、恐怖と狼狽の底におとされた叡山の代表者は、信長の陣へ使いをたてて
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
俳諧の月並みにしたのは、——そんなことは今更弁ぜずとも好い。月並みの喜劇は「芭蕉雑談」の中に子規居士こじも既に指摘してゐる。
芭蕉雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
もしはかないものでないならば、たとい人はどんな境遇におちるとも自分が今感ずるような深い深い悲哀かなしみは感じないはずだ。
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
毎日書きつけてゐるこれらのノオトは、うつかりすると書いて発表するかもしれない「悪いもの」を、うまくおろしてしまはうといふわけなのだ。
日記について (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
この松王に、吉右衛門の源蔵を並べて見る実検前後の幸福感——まことに日月いまだ地にちず、歌舞妓の王土亡びずの愉悦の情を深く覚えた。
手習鑑評判記 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
紀の自堕輿而死の文面は「自らオチイり、コトアゲして死す」と見るべきで、輿は興の誤りと見た方がよさそうだ。
水の女 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
それから、オツ国と言うた地名を、今ではオト国と言うとあるいはながひめ式の伝えになっている。
水の女 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
或る人々は、お転婆な娘だけが誘惑におちいり易い危険性をもつてゐて、おとなしく内輪な始終恥かしがつてひつこんでばかりゐるやうな娘にはさう云ふ危険性はないものゝやうに考へてゐます。
内気な娘とお転婆娘 (新字旧仮名) / 伊藤野枝(著)
阿難ヨ、カクノ如キ人モシ慾惑ヨクワクヲステズ、マタ出家セズンバ、必ズ地獄ニセン。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)