“噛”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
71.9%
かじ23.5%
かぢ0.9%
かみ0.9%
0.8%
かん0.4%
しが0.3%
くは0.2%
かま0.2%
くわ0.2%
0.2%
かむ0.1%
0.1%
くい0.1%
0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
又、今年の春は、みだりに人間の耳をじりましたので、あぶなく殺されようとしました。実にかたじけないおさとしでございます。
鳥箱先生とフウねずみ (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
しかし、今になって他の道に走ったって恵まれるものでは無い! 石にかじりついてもやって見せるという気が私の心の中に起こった。
たねまでがり/\かぢつちやつたな、奇態きたいだよそんだがもゝかぢつてつとはななかほこりへえんねえかんな、れがぢやれでも魂消たまげんだから眞鍮しんちう煙管きせるなんざ
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
が、青年の言葉を、かみしめているうちに、美奈子は傍の渓間たにまへでも突落されたようなはげしい打撃を感ぜずにはいられなかった。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
歯をめてのけざまに顛覆うちかえりたるが、血塗ちまぶれの額越ひたいごしに、半ば閉じたるまなこにらむがごとくえて、折もあらばむくと立たんずる勢いなり。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ほとんかんふくめぬばかり諄々じゅん/\説諭ときさとすに罪人は心の中に得も云えぬ苦しみを感じせんかかく答えんかと独り胸の中に闘いて言葉には得出えいださぬ如く
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
「理由は簡単てみじかです、あの人が大学の総長だつたからです。」商人あきんどは口に入れてゐたしが護謨ごむかすをペツと床に吐き出した。
肋骨の見えた痩せた飼犬が夕暮れのおぼろな影に石膏のやうな色を見せて、小枝をくはへながら驅け廻つて遊んでゐた。
木乃伊の口紅 (旧字旧仮名) / 田村俊子(著)
途端に人膚ひとはだ気勢けはいがしたので、咽喉のどかまれたらうと思つたが、うではなく、蝋燭が、敷蒲団しきぶとんの端と端、お辻と並んで合せ目の、たたみの上に置いてあつた。
処方秘箋 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
といいながらきにかゝりますと、馬が多助の穿いている草鞋の切れ目をみ、多助の袖をくわえて遣るまいとするから
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
御者は縦横に鞭をふるいて、激しく手綱をい繰れば、馬背の流汗滂沱ぼうだとしてきくすべく、轡頭くつわづらだしたる白泡しろあわ木綿きわたの一袋もありぬべし。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
熟々つく/″\見るに其結構けつこうなるこしらへはまがふ方なき高貴の御品次に御墨付すみつきおしひら拜見はいけんするに如樣いかさま徳太郎君の御直筆おぢきひつとは見えけることわざに云へる事ありじやは一寸にして人をかむの氣ありとらは生れながらにしてうし
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
枝にはしゃをかぶったように苔が垂れ下り、サルオガセが灰色のかたまりとなってしみついていた。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
衣川ころもがわくいしばった武蔵坊弁慶の奥歯のようなやつをせせりながら、店前みせさきで、やた一きめていた処でございましてね。
唄立山心中一曲 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ご存じの楚蟹ずわえの方ですから、何でも茨を買って帰って——時々話して聞かせます——一寸いっすん幅の、ブツぎりで、雪間ゆきま紅梅こうばいという身どころをろうと、家内と徒党をして買ったのですが
菊あわせ (新字新仮名) / 泉鏡花(著)