“嘲笑”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ちょうしょう44.0%
あざわら41.4%
わら3.8%
てうせう3.3%
あざけり1.9%
あざわらい0.9%
せせらわら0.9%
あざ0.5%
ひやか0.5%
あざわらひ0.5%
わらい0.5%
あざわろ0.2%
えみ0.2%
けな0.2%
さげすみわらい0.2%
せせらわらひ0.2%
せゝらわらひ0.2%
ちょうしよう0.2%
わらわ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「そうだ、これこそ人生だ、貧乏と、屈辱と、嘲笑ちょうしょうと、そして明日の望みのなくなったときこそ、はじめて我々は人生に触れるのだ」
溜息の部屋 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
「何を俺は早飲み込みしてゐるんだ……どうして今そんなことが云へる……。」と彼はあまりの苦しさに今度は自分を嘲笑あざわらつて見た。
煤煙の匂ひ (新字旧仮名) / 宮地嘉六(著)
もしそれが日頃の誓約せいやくや態度とちがって、裏切るようなことでもあったら、嘲笑わらってやろうという気振けぶりさえ見えないこともない。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
おもふかおもはないうちに、つまたけ落葉おちばうへへ、ただ一蹴ひとけりに蹴倒けたふされた、(ふたたびほとばしごと嘲笑てうせう盜人ぬすびとしづかに兩腕りやううでむと、おれの姿すがたをやつた。
藪の中 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
怒りと嘲笑あざけりを浮べた信吾の顔が、時々胸に浮んだ。智恵子は、今日その信吾の厚かましくも言出でた恋を、小気味よく拒絶ことわつて了つたのだ。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
これも陽の光と潮風に焦げて渋紙色になった総之丞の顔には嘲笑あざわらいが浮んだ。
海神に祈る (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
と肩をゆすりて嘲笑せせらわらえる、かれは少しく背かがみながら、くれない襯衣しゃつの袖二ツ、むらさきの帯に突挿しつつ、腰を振りてのさりと去りぬ。
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
猥れて嘲笑あざめるはた寒き、 凶つのまみをはらはんと
文語詩稿 一百篇 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
そうして妾達を嘲笑ひやかすのです。で、今日も開けましょう。その時おはいりなさりませ
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
はた、赤き此面このも彼面かのも嘲笑あざわらひ……あまる空なく
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
櫛まきお藤ともあろうものが小むすめやからに男を奪られて人の嘲笑わらいをうけてなろうか——身もこころも羅刹らせつにまかせたお藤は胸に一計あるもののごとく、とっぷりと降りた夜のとばりにまぎれて
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「あれなる浪人が、吾等の邪魔になる岩根へ腰掛けて動かぬばかりか、このざまは何事じゃと、嘲笑あざわろうた無礼な一言、聞き捨てなりませぬゆえ引ッ捕えたところでござります」
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「私は我儘が大好きじゃ!」鳰鳥も嘲笑えみを浮かべながら
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
わたくし大笑おほわらひにわらつてやらうとかんがへたが、てよ、たとへ迷信めいしんでも、その主人しゆじんうへおもふことくまでふかく、かくも眞面目まじめものを、無下むげ嘲笑けなすでもあるまいと氣付きづいたので
旦那様は少許すこし震えて、穴の開く程奥様の御顔を熟視みつめますと、奥様は口唇くちびるかすか嘲笑さげすみわらいみせて、他の事を考えておいでなさるようでした。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
さすがに彼の一本参りしを、蒲田は誇りかに嘲笑せせらわらひしつ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
どうもいかぬ、唯ちらちらする蘭引のたぎる音につれて、火蛇ひへびの精の嘲笑せゝらわらひが聞えるばかり。彼はわが冥想を亂さうとして戯弄するのか。
錬金道士 (旧字旧仮名) / ルイ・ベルトラン(著)
いつもそれと名ざされてはいなかったが、しかし明らかにわかるようなやり方で、横柄おうへいなクリストフが嘲笑ちょうしようされていた。クリストフの言は変化されて、馬鹿げたものになされていた。
死所を踏み違った未練者と多くの人に嘲笑わらわれたあげく、かばねは野山に捨てられて鳥や獣の餌食となり、地獄へ堕ちても苛責かしゃくの罪
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)