“喘鳴”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ぜんめい85.7%
ぜいめい14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
突然に喘鳴ぜんめいが聞こえ初めたと思うと、老先生は如何にも立腹されたらしく、仰臥して眼を閉じたまま眉根を寄せて不快そうにあかだらけの頭を左右に動かされた。
梅津只円翁伝 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
だが呻き声はますます切迫し、いまにも息が絶えるかと思うように、激しい呼吸と喘鳴ぜんめいをともないだした。夫人は恐怖のために戸口へ進み、半ば夢中で引戸をあけた。
青べか物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
ジイジイっと喘鳴ぜいめいのようなかすれた音を立てて燃えはじめると、拡がってゆく焔の中で、薄気味悪い蒼鉛色をしたものがメラメラとうごめきはじめるのです。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
薄気味悪い地動のようないびき声、それも病的な喘鳴ぜいめいでも交っているかのような……。ああ、法水が死体と推測した津多子夫人は、未だに生動を続けているではないか。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)