“唾壺”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
だこ42.9%
たんつぼ14.3%
つばつぼ14.3%
はいふき14.3%
はひふき14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「いや、これは。」主税は狼狽うろたえて、くるりと廻って、そそくさを開いて、隣の休憩室の唾壺だこへ突込んで、みさしを揉消もみけして、いたく恐縮の体で引返すと、そのボオイを手許てもとへ呼んで
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
僕等の通った二階の部屋は中央に据えたテエブルは勿論、椅子いすも、唾壺たんつぼも、衣裳箪笥いしょうだんすも、上海や漢口かんこうの妓館にあるのとほとんど変りは見えなかった。
湖南の扇 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
………紙屑籠………唾壺つばつぼ………小型の瓦斯ガスストーブなぞ……。
三ツばかり先の名代みょうだい部屋で唾壺はいふきの音をさせたかと思うと、びッくりするような大きな欠伸あくびをした。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
折しも唾壺はひふき打つ音は、二間ふたまばかりを隔てて甚だ蕭索しめやかに聞えぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)