“哀傷”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かなしみ33.3%
あいしょう22.2%
あいしやう11.1%
いた11.1%
なげき11.1%
ペーソス11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
お志保は酒瓶てうしを持添へて勧めた。歓喜よろこび哀傷かなしみとが一緒になつて小な胸の中を往来するといふことは、其白い、優しい手のふるへるのを見ても知れた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
詩を書いていた時分に対する回想は、未練から哀傷あいしょうとなり、哀傷から自嘲じちょうとなった。人の詩を読む興味もまったく失われた。
弓町より (新字新仮名) / 石川啄木(著)
劉填りうてんいもうと陽王やうわうなり。陽王やうわうちうせられてのち追慕つゐぼ哀傷あいしやうしてやまひとなる。婦人ふじんこのやまひいにしへよりゆることかたし。とき殷※いんせんゑがく、就中なかんづくひとおもてうつすにちやうず。
聞きたるまゝ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
と、彼の才気や新知識を、哀傷いたむ者もあった。
夏虫行燈 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「……お哀傷なげきはさることながら、御赦免ごしゃめんの天恩をみ、おなつかしい京都みやこの土をお踏み遊ばしてからおかくれなされたことが、せめてものことでござりました」
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ポエヂイの本質が全く哀傷ペーソスに出發して居る。
定本青猫:01 定本青猫 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)