“呪咀”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
じゅそ53.8%
のろい12.3%
のろ10.8%
じゆそ7.7%
のろひ6.2%
まじない4.6%
しゆそ1.5%
カシリ1.5%
トコヒ1.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
お袖は、たちまち、顔じゅうを涙にしながらも、呪咀じゅその火、そのもののように、眸も、頬も、耳までも燃やして、なおいいつづけた。
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
夜昼となくその高殿から、嫉妬ねたみ猜疑うたがい呪咀のろいとをもって、妖精のように桂子が、自分たちを看視していることだろう。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
そうしてT子母子おやこを仲に挟んで、お互いにお互いを呪咀のろい合って来た結果、その時はもう二人とも救うべからざる学術の鬼となってしまっていた。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
しかるに九九少納言信西せうなごんしんぜいがはからひとして、呪咀じゆその心にやとそうしけるより、そがままにかへされしぞうらみなれ。
彼女かのぢよが三週間しうかん安靜あんせいを、蒲團ふとんうへむさぼらなければならないやうに、生理的せいりてきひられてゐるあひだ彼女かのぢよ鼓膜こまくこの呪咀のろひこゑほとんどえずつてゐた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
呪咀まじない祈祷きとうやなんぞをしてもらいましたが、一向ききめがないので、日々苦痛は勝るのみでありました。
妖怪談 (新字新仮名) / 井上円了(著)
蹴殺けころし給ふべしと呪咀しゆそしけるに七日目の明方あけがた十歳ばかりの童子わらべかみ乘遷のりうつり給ひこゑあららげ我が本覺ほんがく眞如しんによの都を出で和光わくわう同塵どうぢんあと
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「宜しく天の香具山の社の中の土を取りて、アメ平瓫ヒラカ八十枚ヤソヒラを造り、并せて厳瓫イツベを造りて、天神・地祇を敬祭し、亦イツ呪咀カシリをせよ。此の如くせば則、虜自ら平伏せむ」
まじこりを呪咀トコヒの結果と見るのはわるい。他に関する悪意と言ふよりも、利己的な動機の為に、人を顧る暇のなかつた場合をすのである。
まじなひの一方面 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)